エネルギー基本計画とは、国のエネルギー政策の根幹となるものです。エネルギーの需給に関する中長期的な施策の基本指針を示します。「安全性を前提とした上で、エネルギーの安定供給を第一とし、経済効率性の向上による低コストでのエネルギー供給を実現し、同時に、環境への適合を図る」という、いわゆる「S+3E(安全性+安定供給・経済効率性・環境適合性)」が柱とされています。
現在は、第6次エネルギー基本計画に向けた改訂の検討が進められていますが、その素案が7月21日、資源エネルギー庁の基本政策分科会において公表されました。
エネルギーミックスは再エネが大幅に伸長
注目された2030年のエネルギーミックス(電源構成)については、2050年のカーボンニュートラルを念頭に暫定値が示されました。その概要は下図の通りです。
(出典:資源エネルギー庁 基本政策分科会)
ポイントは、主力電源化を徹底し最優先で取り組むとされた再生可能エネルギーの比率です。前回の第5次エネルギー基本計画では22~24%でしたが、今回は36~38%と大きく伸びました。また、水素・アンモニアが1%ながらも、初めて組み込まれた点にも注目したいと思います。
再生可能エネルギーに関しては、環境省・国土交通省・農林水産省などを「責任省庁」とし、施策の具体化に力を注ぐとされています。これに対して、各省庁は取組みの方向性などを示していますが、今後さらに具体的な施策に落とし込まれていくものと思われます。
省エネもさらに深掘りへ
一方で、エネルギーの需要サイドにおける省エネの深掘りにも留意したいと思います。今回の素案では、2013年に比べて約2300億kWhを削減することが掲げられました。
産業部門、業務・家庭部門、運輸部門といったあらゆるセクターで省エネを徹底すると同時に、省エネ法の改正も含めた制度的な対応も進められる見込みです。デマンドレスポンスやアグリゲーションビジネスの活性化なども期待されます。(参考『省エネ法も脱炭素仕様に! エネルギーの再定義や係数換算見直しへ | REiVALUE Blog』)
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