COP26が2021年10月31日から11月12日の日程で、イギリスのグラスゴーにおいて開催されます。新型コロナの影響により、1年の延期を経ての開催となりました。COPとはどのようなものか解説し、COP26の議題のポイントをお届けします。
温暖化対策に重要な国際会議COPとは
COPは、日本語で「国連気候変動枠組み条約締結国会議」といいます。“締約国会議”を意味するConference of the Partiesの頭文字をとってCOP(コップ)と呼ばれています。今年は26回目の開催となるため、COP26といいます。
国連加盟国が集まって地球温暖化対策を議論する場がCOPです。1995年から毎年開催されてきましたが、2020年は新型コロナの影響で開催されず今年に延期となりました。
2015年、COP21で合意されたパリ協定は、地球温暖化対策の大きな転換点となりました。世界の平均気温の上昇を産業革命以前より1.5~2℃までに抑える目標を定めたこと、この目標に向かって、先進国だけでなく発展途上国にも温暖化対策を求めた点が画期的でした。
パリ協定から6年が経ち、地球温暖化とそれに伴う経済社会へのダメージに対する危機感から、現在は、気温上昇を2℃ではなく1.5℃に抑えようとする気運も高まっています。(参考『地球温暖化の“今”を知る! IPCCの第6次評価報告書とは? | REiVALUE Blog』)
各国の排出削減目標に注目集まる
2021年10月31日から11月12日の日程で、イギリスのグラスゴーで開催されるCOP26のポイントは主に次の4点です。
(1)各国の排出削減目標(NDC)
2050年ごろまでにカーボンニュートラルを地球全体で達成するために、各国が2030年までの排出削減目標であるNDC:(Nationally Determined Contribution、国が決定する貢献)を提出することになっています。日本政府も提出を予定しており、この内容が注目されます。また、石炭火力発電所をどのように廃止していくかも焦点となります。
(2)生態系(エコシステム)の保護
熱波や干ばつ、海面上昇といった地球温暖化の影響をすでに受けている国や地域の人々に対して、どのようなケアを行うかも重要なテーマです。すでに起きてしまっている影響に適応するという考え方のもとに対策が練られます。また、温暖化の影響を受ける動植物の生態系の保護や回復についても議論されます。
(3)温暖化対策のための資金動員
世界中の政府や国際金融機関に対して、地球温暖化対策に十分な資金が向けられるようにするため、はたらきかけが行われます。
(4)パリ協定の詳細なルールを議論
パリ協定の本格的な実施に向けた「パリ・ルールブック」のルールについても詳細の議論が継続されます。国同士がCO2排出削減量の取引を行うオフセット・クレジットについて、削減した国と買い取った国で排出量が二重計上がされないようなルールをどのように決めるかが重要とされています。
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