2022年4月から新しく始まる「省エネコミュニケーション・ランキング制度」。エネルギー小売事業者に対して、省エネに関するわかりやすい情報発信を求めることを目的とした制度です。
より重要性を増す家庭の省エネ
昨年10月の第6次エネルギー基本計画では、2030年の電源構成における省エネのボリュームが大きく引き上げられました。原油換算で6,200万キロリットルもの省エネが見込まれたのです。このうち、家庭部門の省エネが1,200万キロリットルを占めています。(参考『第6次エネルギー基本計画が閣議決定! 電源構成、再エネ比率は?』)
省エネについての情報発信によって、家庭の省エネを促進する役割を担うのが、電気会社・ガス会社といったエネルギー小売事業者であると位置付けられています。
「省エネコミュニケーション・ランキング制度」とは
こうした背景から、エネルギー小売事業者の省エネに関する情報発信を促すため、経済産業省は2022年4月から「省エネコミュニケーション・ランキング制度」を開始します。
「省エネコミュニケーション・ランキング制度」とは、電力会社・ガス会社が一般消費者向けに行う省エネに関する情報提供の取り組みを評価するものです。同制度では、電力会社・ガス会社の取り組み内容を星の数でランク付けします。評価は5段階で、星の数が多いほど省エネの情報発信が充実していることを示します。
2021年度は試行的に運用されていましたが、2022年度から本格的な運用が始まります。
(省エネコミュニケーション・ランキング制度のロゴ。出典:経済産業省 エネルギー小売事業者の省エネガイドライン検討会)
取り組み事例を改訂ガイドラインで示す
合わせて、情報提供の取り組みの模範例などを示す「エネルギー小売事業者の省エネガイドライン」も改訂される見通しです。経産省が2月4日に公表した改訂案では、エネルギー小売事業者が一般消費者に伝えるべき情報や伝え方についても細かく記されています。
例えば、「使えば使うほど電気料金が安くなる」といった表現は電気の使用を増やす“増エネ”につながるとして、「使えば使うほど電力量料金単価が安くなるのでお得」などの表現に代替することが望ましいとされました。
これまで、省エネの重要性は認識されながらも、一般消費者の取り組みが十分に普及しているとは言えない状況でした。今回の省エネコミュニケーション・ランキング制度が、一般消費者の省エネのアクションをより拡大するきっかけになるよう望まれます。
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