サイトアイコン リアイバリュー株式会社

カーボン・クレジット市場、実証に向けた動きも。経産省がレポート公表

Business illustration showing the concept of carbon price

2022年6月28日、経済産業省が、カーボン・クレジットの活用に関する基本的な情報や今後のあり方などをまとめた「カーボン・クレジット・レポート」を発表しました。これは、経産省の「カーボンニュートラルの実現に向けたカーボン・クレジットの適切な活用のための環境整備に関する検討会」で、昨年12月から行われてきた検討結果を整理したものです。

同レポートでは、カーボン・クレジットの意義や活用方法を定義づけたうえで、今後の「カーボン・クレジット市場」の方向性を示しています。

 

「カーボン・クレジット」とは?

まず、カーボン・クレジットとは、同レポートにおいては、さまざまなプロジェクトによってCO2排出量を削減し、あらかじめ定めたベースラインからの差分を測定・報告・検証(MRV)を経て、国や企業が取引できるよう認証したものだと定義されています。

排出削減のためのプロジェクトとしては、ボイラーの更新や太陽光発電設備の導入、森林管理などが例示されました。

このように、ベースラインとの差分をクレジットとして認証する制度は「ベースライン&クレジット制度」と呼ばれます。すでに東京都などで行われている「キャップ&トレード」よりも、自主的な削減の取り組みを促すという点などにおいて違いがあるとされています。

(ベースライン&クレジットとキャップ&トレードの違い。出典:経済産業省)

 

カーボン・クレジットの課題

一方で、カーボン・クレジットには、需要・供給・流通の側面に課題があるとされています。カーボン・クレジットの適切な活用に向けた課題の一例は、下図の通りです。

(出典:経済産業省)

 

このうち、カーボン・クレジットの取引を活性化するために欠かせないのが、流通という観点です。現在、クレジットの流通では相対取引がメインであることから、取引量や価格についての情報が少ないことが指摘されています。

このため、カーボン・クレジットを創出する側と購入する需要家の双方にとって、投資や調達の予見性が低く、需給が活発化しない遠因になっているとされました。

 

「カーボン・クレジット市場」実証、東京証券取引所が受付開始

そこで、今後はカーボン・クレジットの価格が広く知られるような形で取引することが重要とされ、同レポートは「カーボン・クレジット市場」の構築についても言及しました。

(出典:経済産業省)

取引の流動性を高め、価格を明示的なシグナルとするために、まずは、経産省の実証事業を行うとし、同23日には、東京証券取引所(JPX)が実証参加者の申し込みを開始しました。

(参考:東京証券取引所 カーボン・クレジット市場

 

JPXは、この実証への申し込みは2022年7月22日までとしたい意向を示しており、法人や国及び地方公共団体、任意団体であれば申し込みが可能とのことです。いよいよ動き出した「カーボン・クレジット市場」、当社は引き続き最新情報をアップデートしてまいります。

 

なお、「カーボン・クレジット市場」のこれまでの検討動向については、こちらの記事で詳しくご説明しております。ぜひ、合わせてご覧ください。(リンク:CO2クレジットの取引マーケット、検討へ。環境価値を活用しやすく | REiVALUE Blog

 

当社では、電力調達などの専門知識豊富なスタッフがサポートさせていただいております。ご相談も受け付けておりますので、どうぞお気軽にご連絡ください!

>>お問い合わせはこちら

モバイルバージョンを終了