電気に付加価値をプラスする環境価値、それは非化石証書というかたちで取引が可能になりました。さらに今年からは、「どこの発電所で生まれた非化石証書なのか」という属性まで追跡できるようになっています。
この追跡システムであるトラッキングシステムについてみていきましょう。
トラッキングシステムでできること
トラッキングシステムは現在まだ実証実験中ですが、以下の9つの属性情報がトラッキング可能です。
1. 設備ID
2. 発電設備区分
3. 発電設備名
4. 設置者名
5. 発電出力(kW)
6. 認定日
7. 運転開始又は予定日
8. 設備の所在地
9. 購入量(kWh)
こうした属性情報がわかれば、特定の発電所で生まれた非化石証書を選んで購入することができますね。
2019年2月に行われた最初の実証実験では、59者の発電事業者が参加し、非化石証書の総量は約5.5億kWhに達しました。発電設備別に見てみると、太陽光発電が最も多く、次いでバイオマス発電でした。
第3回目の非化石証書オークションにおいても、この実証実験は継続されます。日程は、2019年8月5日から9日の予定。参加者や取引量がどうなるのか、最新の動向に注目していきましょう。
非化石証書が変えるエネルギーの未来
2018年5月にスタートした非化石証書取引市場。クリーンなエネルギーを求める情勢の追い風を受けて、徐々に注目を集めています。
環境意識の高まりとともにCO2フリーの電気の需要が高まり、非化石証書取引市場における取引も、より活発なものになることが予想されます。
現在私たちが使っているエネルギーのうち、約7割は化石燃料によるものです。今後、非化石証書などによってCO2フリーの電気がより多く使用されるようになれば、化石燃料による電気の割合も減っていくかもしれません。
新しく生まれたばかりのマーケット、非化石証書取引市場が担う役割は大きなものだといえるでしょう。これからもその動向を逐次お知らせしていきます。