2019年「省エネルギー技術戦略」改定、重要技術に調整力
再エネ主力電源化に向け、重要技術を細分化
2019年7月18日、資源エネルギー庁は、第5次エネルギー基本計画等を踏まえ「省エネルギー技術戦略2016」の「重要技術」を改定したと発表しました。「省エネルギー技術戦略2016」は「徹底した省エネルギー社会の実現」に向けて、資源エネルギー庁とNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)が共同で、「重要技術」の導入に向けたシナリオを取りまとめたものです。
改定のポイントは、重要技術が14から39に細分化されたこと。中でも「再生可能エネルギーの主力電源化の方針を踏まえ、電力需給の調整力・予備力に関する技術」が重要技術に追加されたことに注目したいと思います。
電力の需給調整とは、需要側・供給側の双方を含むエネルギーシステム全体でのロスを削減する技術です。電力を供給する系統側のエネルギーの貯蔵や変換技術。需要側では、コージェネや蓄電池などによるディマンドリスポンス、電気などの使い方を最適化するエネルギーマネジメントシステム(xEMS)も含まれますね。
「省エネルギー技術戦略」は2030年に向けた省エネ技術推進のためのロードマップという位置づけ。2007年に初回策定以降、順次更新が行われ、前回の2016年9月に続く今回の改定です。
スポットを浴びる「ポジワット型ディマンドリスポンス」
今回の改定を受け、電力需給の調整の中でも特に「上げ(ポジワット型)ディマンドリスポンス)」が脚光を浴びそうです。上げ(ポジワット型)ディマンドリスポンスとは、省エネではなく逆に電気を使うことで需要の調整を行うこと。例えば、太陽光発電などにより発電量が需要を超えそうなとき、工場の生産ラインなどを稼働させて需要をつくることなどを指します。
再生可能エネルギーの普及に不可欠な調整力。重要技術となったことで生まれるさまざまな動向に、今後も注目していきたいと思います。
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