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カーボン・クレジット市場、10月にも創設。全体像が明らかに

東京証券取引所(東証)は2023年6月9日、J-クレジットなどを取引する「カーボン・クレジット市場」を2023年10月にも開設し、売買を開始すると発表しました。この記事では、現時点におけるカーボン・クレジット市場への参加方法などについて解説します。

 

「カーボン・クレジット市場」とは

はじめに「カーボン・クレジット市場」とは、CO2排出量の取引を行う場であり、主にCO2削減に取り組む企業などに向けた仕組みとして整備が進められています。カーボン・クレジット市場では、CO2削減量を取引可能な証書などの形で売買します。CO2削減の方法には、大きく分けて森林による吸収、再生可能エネルギーへの転換、省エネルギー機器の導入の3つがあります。

 

経済産業省と東京証券取引所(東証)は、2022年9月から2023年1月までカーボン・クレジット市場の創設に向けた実証事業を行いました。実証では、国内で広く流通しているJ-クレジットの取引が対象となりました。カーボン・クレジット市場の実証については、こちらの記事で詳しく紹介していますのでぜひ合わせてご覧ください。(参考『Reivalue株式会社は経産省の「カーボン・クレジット市場」実証に参加しています』)

 

2023年7月から登録申込みを開始

東証は2023年6月9日、カーボン・クレジット市場を2023年10月に開設し、同年7月ごろから参加者の登録申込みを開始すると発表しました。同時にカーボン・クレジット市場の制度要綱も公表されたことで、市場の全体像が見えてきました。

 

市場に参加するには事前に東証に登録する必要があり、登録できるのは法人、政府、地方公表団体、任意団体。登録にあたっての登録料と参加者保証金、基本料、売買手数料、決済手数料は当面の間無料とされています。取引はすべてシステム上で行われ、参加者にはカーボン・クレジット市場システムにログインするためのユーザIDが付与されます。

 

市場の創設当初は、実証と同様にJ-クレジットのみが取引対象とされています。取引単位は1トン-CO2、約定は午前11時30分と午後3時の2回、ザラバ方式ではなく指値注文のみなどの点は実証から変更ありません。なお、要綱は今後のパブリックコメントの結果などによって変更の可能性があるため、常に最新情報をご確認ください。(2023年6月15日現在)

 

いよいよ動き出す「GX実現に向けた基本方針」

カーボン・クレジット市場の創設は、2023年2月に閣議決定された「GX実現に向けた基本方針」に明記されています。これは、脱炭素と経済成長を両立させるGX(グリーントランスフォーメーション)を今後10年間にわたって実現するためのロードマップと位置付けられています。この6月末からは、全国で「GX実現に向けた全国説明会」が開催される予定であり、GXに関する動きがますます加速すると予想されます。本ブログでは、カーボン・クレジット市場など新たな制度の動向について逐次お届けしてまいります。

 

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