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非FIT非化石証書のトラッキング見直し始まる。3つのポイントとは?

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資源エネルギー庁は2023年9月11日、非FIT非化石証書のトラッキングのあり方を見直す考えを示しました。3つのポイントについて見直しを進め、年内をめどに見直しの具体策をまとめるとしています。

 

非FIT非化石証書トラッキングの「課題」

そもそも非FIT非化石証書は、小売電気事業者が2030年度までに非化石電源比率44%を達成するための手段として位置付けられています。そのため、取引できるのは小売電気事業者に限られており、取引は非化石価値取引市場内の「高度化法義務達成市場」で行われています。2022年2月からは再エネ指定ありの非FIT非化石証書のトラッキングが開始されましたが、再エネ指定なしの証書はトラッキングの対象外です。

 

現在、市場で取引される非FIT非化石証書は、発電事業者が事前にトラッキングを希望しなければ、トラッキング情報が付与されることはありません。また、現在の約定価格には、非化石電源の属性に応じた非化石価値の差異が反映されていないのです。

 

そのため、発電事業者にとってトラッキングを希望するメリットがなく、市場で取引される非FIT非化石証書トラッキングの付与率は、わずか約7%にとどまっています。これに対して、相対での取引分の付与率は約32%です。しかし、需要家が直接取引するFIT非化石証書のトラッキング付与率は約78%であり、非FIT非化石証書におけるトラッキングの取り組みが進んでいないことがわかります。

 

非FIT証書トラッキング見直しのポイント3つ

(トラッキング見直しのイメージ。出典:資源エネルギー庁

そこで、資源エネルギー庁は9月11日、非FIT非化石証書のトラッキングのあり方を見直す考えを示しました。上図のように、トラッキングを付与するプロセスを抜本的に見直し、よりシンプルにするとしています。見直しにあたっての具体的な進め方は、次の通りです。

 

①トラッキングの対象を非FIT非化石証書全量とする

今後、トラッキングのニーズが高まると見込まれることから、現在、トラッキングの対象ではない再エネ指定のない非FIT証書も対象に含めて全量トラッキングを行う方向で検討を進めるとされました。

 

これまでは、トラッキングにあたっては発電事業者が任意で属性情報を提供していましたが、今後は発電事業者の同意を得ることなく、全量をトラッキングの対象とする方向です。なお、個人の発電所であることが想定される20kW未満の発電所については、公開する属性情報の範囲を限定するとされています。

 

②市場を介さない取引における非FIT証書の優先割り当て

特定卸供給など、小売電気事業者が市場を介さずに特定のFIT電源から電気を調達している場合に、FIT電気の属性情報と非化石価値のトラッキング情報の関係をどのように考えるかについては、今後、検討を深めるとされました。

 

③入札方法・約定ルール

入札にあたっては、小売電気事業者が知りたい属性情報の希望をあらかじめ出すように入札方法が見直しされる見通しですが、その際、どのような情報の粒度で希望を出せるようにするかについては、今後の検討とされました。また、希望に応じた証書の供給量が不足する場合に、約定ルールをどのようにするかについてもこれからの検討とされています。

 

年内をめどに見直しの具体策をまとめる

こうした見直しについて、資源エネルギー庁は2023年内をめどに具体策をまとめるとしています。見直しの検討にあたっては、関係事業者へのヒアリングやアンケートを実施するとのことです。今後のトラッキング見直しの検討がどのように進められるのか、引き続き注視していきたいと思います。

 

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