東京電力パワーグリッドは2023年10月16日、2024年度の再エネ出力制御の見通しを発表しました。それによると、2024年4月以降、再エネ出力制御を行う可能性があり、対象となる可能性が高い発電事業者に向けて説明会を開催する予定だということです。実施されれば東京電力エリアでは初めてのことで、全国10エリアすべてで再エネ出力制御が行われることになります。
東電PGが2024年度再エネ出力制御の短期見通しを更新
東京電力パワーグリッドが10月16日の系統ワーキンググループで公表した資料によると、2024年度の再エネ出力制御の見通しは次の通りです。
154kV上越幹線(群馬県)で680kW、66kV玉諸線(山梨県)で830kWの合計1,510kWの制御を行う見通しがあり、上越幹線の制御量は1,220kWhで制御時間は3時間、年間出力制御率は0.08%。玉諸線の制御量は15,440kWhで制御時間は26時間、年間出力制御率は1.28%とされています。なお、これらは一定の算定条件のもとで試算したものであり、今後変わる可能性があるということです。
ノンファーム電源では発電計画値の提出が必要に
同社は、ノンファーム型接続の電源に対しては、発電計画に対して一定比率で出力を抑制する「一律制御方式」を実施するとしています。ノンファーム型接続とは送電線の新たな利用ルールのことで、実送電量に応じて空き容量が変化する柔軟な電気の送り方を指します。
(ノンファーム型接続による送電線利用イメージ。出典:資源エネルギー庁)
出力制御の実施にあたっては、ノンファーム型接続をしている発電事業者を対象として発電計画値の提出を求めるとしています。また、同社から事前の混雑予想を3回通知し、発電事業者はその通知をもとにノンファーム電源の制御量を把握するとともに、必要に応じて、発電事業者に発電計画を修正するなどの対応を求めるとのこと。そのため、同社では、対象地域の発電事業者に向けて、今後、説明会などを実施していく予定としています。
新たな出力制御の対象となる発電事業者にとってはオペレーションの大幅な変更が予想されます。説明会など、今後の動向にしっかりと注目する必要があるでしょう。