日本卸電力取引所(JEPX)は2026年5月20日から22日、非化石価値取引市場の2025年度第4回オークション結果を公表しました。FIT証書をめぐっては、需要が伸び悩んだことから需給割合は53%にとどまりました。その一方で、非FIT証書は買い入札優勢のまま終了しました。
FIT証書 変わらず大幅な売れ残り 需給割合は53%にとどまる
再エネ価値取引市場の過去3ヶ年の推移。※累積約定割合(%)は、各回の市場拠出量と約定量の合計のうちの累積需要量の割合(出典:日本卸電力取引所より筆者作成)
FIT非化石証書を取引する再エネ価値取引市場の2025年度第4回オークションでは、売り入札量が831.7億kWhと前回から増加したことに対し、買い入札量は179.9億kWhとほぼ横ばいで、同量が約定しました。前回、前々回に続いて多くの売れ残りが発生したことから、各回の市場拠出量と約定量の合計のうちの累積需要量の割合は53%にとどまりました。
需要家が直接調達できるFIT証書をめぐっては、 CO2削減に対する社会的な要請を受けて、ニーズが高まるのではないかという見方もありましたが、約半分が売れ残っている足元の状況を見ると、当初の見立てより需要が伸び悩んでいることがわかります。
昨年度に続き小売電気事業者の代替調達を実施
2025年度最終オークションとなった今回、昨年度と同様に小売電気事業者による代替調達が実施されました。代替調達とは、非FIT証書の上限価格以上で小売電気業者がFIT証書を調達し、エネルギー供給構造高度化法(高度化法)に活用できるようにするものです。年間販売電力量5億kWh以上の小売電気事業者は、2030年までに非化石電源比率を44%に引き上げることが義務付けられており、今年度は、高度化法の第2フェーズ(2023〜2025年度)の最終年の報告年度にあたります。
資源エネルギー庁によると、小売電気事業者による代替調達量は約7億kWhで、それによって約定加重平均価格が前回の0.4円/kWhから微増の0.44円/kWhになったということです。とはいえ、売り入札量が買い入札量を上回る状況はこれまで通りであり、代替調達以外の買い入札量も全量約定していることから、代替調達による影響は限定的としています。
なお、代替調達についてはこちらの記事で解説していますので、併せてご覧ください。(参考:FIT証書の「代替調達」を2024年度最終オークションで実施へ | メディア | リアイバリュー株式会社)
非FIT証書は買い入札が優勢
高度化法義務達成市場の非FIT非化石証書(再エネ指定なし)では、買い入札量は前回からほぼ横ばいの37.1億kWhとなりました。これに対して、売り入札量は前回の約2倍の20.0億kWhとなり、同量が約定しました。買い入札が優勢の傾向は、2025年度の全4回のオークションを通じた傾向となりました。約定価格は引き続き上限価格の1.3円/kWhとなっています。
高度化法達成市場の推移(非FIT再エネ指定なし)。※累積約定割合(%)は、各回の市場拠出量と約定量の合計のうちの累積需要量の割合(出典:日本卸電力取引所より筆者作成)
非FIT非化石証書(再エネ指定あり)でも買い入札量優勢の傾向が続いているものの、買い入札の総量は前回から微減の17.1億kWhとなりました。売り入札量は10.4億kWhで、約定量は売り入札量と同量となりました。約定価格はこちらも上限価格の1.3円/kWhとなっています。
高度化法達成市場の推移(非FIT再エネ指定あり)。※累積約定割合(%)は、各回の市場拠出量と約定量の合計のうちの累積需要量の割合(出典:日本卸電力取引所より筆者作成)
なお、2025年度オークションの各回の結果は下記の記事でリポートしておりますので、ぜひ併せてご覧ください。
