「CDP気候変動レポート2019」が2019年1月20日に発表されました。日本のAリスト企業数は38社で、なんと世界一に。2018年の20社から、1.9倍の大躍進です。
スコアリング対象となった8,000社を超える企業のうち、Aリスト企業は上位2%に相当し、世界で179社が選ばれています。Aリストとは、環境マネジメントにおいてベストプラクティスを行った、リーダーシップのある企業に対して与えられる評価です。
日本のAリスト企業を業種ごとのセクターで見ると、「製造セクター」が最も多く11社。続いて保険会社などの「サービスセクター」が7社、建築関連の「インフラ関連セクター」が5社、「食品・飲料・農業関連セクター」が5社と並びます。
レポートでは「まさにTCFD低減の推奨開示項目に対して組織が向き合い、しかるべき体制の下で気候変動に関する課題に対処している企業が年々確実に増加している成果」と評価されています。
2020年が気候変動の向こう10年を決める
CDPは、イギリスに拠点を置く国際NPO・Carbon Disclosure Projectがその前身です。気候変動が企業に与える経営リスクの観点より、2000年から世界の主要企業に質問書を送付しています。
国内で質問書が送付されるのは、FTSEジャパンインデックスに選定されている「ジャパン500」です。ジャパン500の回答率は、2018年の59%から、2019年は63%とアップしました。
一方で、セクター別の回答率の差は大きく、回答率が40%を下回るセクターもあったといいます。また、レポートではA,A-,BランクとC,Dランクの企業とに二極化する動向が見られると指摘されています。
気候変動対策に取り組むためのデータ開示であるCDP質問書。レポートでは、CDP CEOのポール・シンプソン氏が「2020年は、我々すべてが遅滞なく気候変動対策に野心的に取り組む年としなければなりません」と締めくくっています。脱炭素社会に向かう波が、さらに大きなうねりとなりつつある今、当社は最新の動向に引き続きキャッチアップしていきます。