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東電EP、25年4月から料金単価を変更。26年度には旧標準メニュー廃止へ

Electricity bill next to a calculator, a bulb and money. Electricity price concept.

東京電力エナジーパートナーは、特別高圧・高圧の電気料金メニューを2025年4月から見直し、2026年3月末で従来の標準メニューを廃止すると発表しました。新しい標準メニューは、卸電力取引所の価格を反映させた3プランです。見直し内容の詳細についてリポートします。

 

プランごとに単価を見直し、一部供給条件の変更も

東京電力エナジーパートナー(東電EP)は、2025年4月1日から、特別高圧・高圧の電気料金メニューを見直すとしています。同社は、2024年4月から、標準メニューを卸電力取引所の価格を反映させた3プランとしています。3プランの詳細については、こちらの記事をご参照ください。(参考:東電EP、2024年度から標準メニューを市場連動3プランへ。現行の標準メニューは受付終了 | メディア | リアイバリュー株式会社

今回のプラン別の見直しのポイントは次の通りです。

 

ベーシックプラン

従来より、基本料金が高く、電力量料金が低く抑えられます。ピークカットなどによって契約電力が下がった場合に、メリットがでやすいとしています。料金単価の一例を挙げると、高圧の関東エリアの場合、従来の基本料金単価が1,890.00円/kWであるのに対し、見直し後は3,030.00円/kWとなります。電力量料金単価は、従来が19.51円/kWhに対し、見直し後は16.56円/kWhとなっています。

 

また、市場価格調整単価を、4つの時間帯に分けます。市場価格が高い時間帯に使用量を抑えることによって、電気料金を低減できるとしています。4つの時間帯とは、朝時間(平日の午前8時〜午後1時)、昼時間(平日の午後1時〜午後4時)、晩時間(平日の午後4時〜午後10時)、夜時間(それ以外の時間、及び、日祝日の全日)です。

 

市場調整ゼロプラン・市場価格連動プラン

市場調整ゼロプランは、ベーシックプランと同様に、従来より、基本料金が高く、電力量料金が低く抑えられます。また、供給条件を見直し、契約電力の変更や最低引取電力量、未達精算金といった厳しい供給条件が廃止されます。契約期間も2年から1年に短縮されることで、従来の電力契約に戻った形です。ただし、期中の解約金については、見直し後も残されるため、注意が必要です。

市場調整ゼロプランの供給条件の見直し内容。(出典:東京電力エナジーパートナー)

 

一方で、市場価格連動プランは、基本料金単価が値下げ、電力量料金単価が値上がりとなっています。高圧の関東エリアの場合、基本料金単価は1,700.00円/kWから1,500.00円/kWになります。

 

高負荷率の需要家ほど電気料金の削減効果が期待

東電EPの試算によると、契約電力や使用電力量によって見直し前後の電気料金の影響は異なるとしています。今後の燃料価格や市場価格の動向も影響を受けるとした上で、負荷率の高い需要家ほど、電気料金の削減効果が期待できるとしています。負荷率とは、契約電力に対する使用電力量の割合のことです。24時間電気を使う需要家は負荷率が高い傾向にあります。

料金見直しの前提として平均燃料価格および平均市場価格で試算した場合の見直し影響額(出典:東京電力エナジーパートナー)

 

申込は専用ホームページから

2025年度分の電気料金メニューについては、10月23日から東電EPのホームページで申込の受付が開始されています。関東エリア内とエリア外でページが異なるため、注意が必要です。なお、同社が供給できる想定電力量の上限に達した時点で、市場価格連動プラン以外の受付を終了するとしています。

 

旧標準メニューは25年3月末で新規受付を終了

高圧の業務用季節別時間帯別電力などの標準メニューは、2025年3月末をもって新規受付を終了するとしています。また、2026年3月末で、すべての旧標準メニューを廃止するとしました。2026年4月以降は、新標準メニューでの契約になるとしています。2025年3月末で新規受付を終了するプランは、下表の通りです。

2025年3月末をもって新規加入受付を終了する電気料金プラン(出典:東京電力エナジーパートナー)

 

東電EPと契約中の需要家は、見直し内容やスケジュールをしっかり把握することが大切だといえます。新メニューの申し込みには上限が設けられていることから、慎重かつスピーディな判断が求められます。

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