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2023.09.29ニューストータルエネルギーソリューション

東電EP、2024年度から標準メニューを市場連動3プランへ。現行の標準メニューは受付終了

東京電力エナジーパートナーは2023年9月27日、来年4月からの特別高圧・高圧の標準メニューについて、卸電力取引所の価格を反映させた新しい3プランすると明らかにしました。これに伴って、現在の標準メニューは原則として2024年度以降新規受付を終了するとのことです。新たな標準メニューの内容や、現行の標準メニューの取り扱いについて解説します。

 

2024年度から原則市場連動型の3プランに移行へ

東京電力エナジーパートナー(東電EP)は9月27日、来年度からの特別高圧・高圧の標準メニューを日本卸電力取引所(JEPX)のスポット価格に連動する新たなプランへ移行すると発表しました。新しいプランは、下図の通り、市場価格を反映する割合によって「ベーシックプラン」「市場調整ゼロプラン」「市場価格連動プラン」の3種類です。

 

(新料金プランの仕組み。出典:東京電力エナジーパートナー株式会社)

 

ベーシックプラン・市場調整ゼロプラン・市場価格連動プランは電力量料金に適用する調整がそれぞれ異なり、調整項目として、火力電源の調達価格を反映する「燃料費調整額」とJEPXの市場価格を反映する「市場価格調整額」が設けられました。新料金プランの詳細は下図の通りです。

(新料金プランの詳細。出典:東京電力エナジーパートナー株式会社)

 

そして、気になる新たな電気料金単価は以下の通り。ベーシックプランと市場調整ゼロプランは、電力量料金単価そのものは時間帯によらず同一の単価となっています。単価は全体的に抑えられてはいるものの、電気の使い方によっては電気代が上がる恐れもあり、注意が必要です。

(新料金プランの電気料金単価。出典:東京電力エナジーパートナー株式会社)

 

新料金プランを選択する際に注意したいポイント2つ

新たな3プランは、現行の標準メニューとは異なる供給条件がいくつか設定されています。新料金プランを契約する際には、こうした供給条件を事前にしっかり理解しておくことが重要だと言えます。そこで、新料金プランの供給条件で特に注意しておきたいポイント2つについて解説します。

 

①ベーシックプランと市場調整ゼロプランは契約期間に注意

ベーシックプランと市場調整ゼロプランは、それぞれ契約期間が定められています。ベーシックプランが4月1日〜翌年3月31日までの1年間、市場調整ゼロプランが4月1日〜翌々年3月31日までの2年間です。契約満了前に契約種別を変更することは認められず、「(契約電⼒×基本料⾦単価×⼒率割引 )×各年度末までの残存契約期間×10%」という期中解約金が発生するため、電力契約の見直しを行う際には、タイミングに気を配る必要があります。

②契約電力500kW以上の市場調整ゼロプランは供給条件の制約にも注意

市場調整ゼロプランの契約期間が2年間の長期契約となることは、前述の通りです。それだけでなく、契約電力500kW以上の大口の需要家の場合には、契約電力の変更制限、1ヶ月あたりの最低引取電力量も設定されてます。

具体的には、契約電力は原則として増加または90%未満に減少することは認められません。つまり、デマンド超過は認められないということです。また、1ヶ月あたりの最低引取電力量「契約電力×250時間」と定められています。1ヶ月の使用電力量が最低引取電力量を下回る場合には、実質的なペナルティである「未達精算金」が請求されます



現在の標準メニューは単価の見直しと新規受付を終了

(見直し前後の電力量料金単価と燃料費等調整単価の影響。出典:東京電力エナジーパートナー株式会社)

 

2024年4月1日からの現行の標準メニューについても変更が発表されています。まず、燃料費等調整の算定諸元を見直したことにともなって、需要家の負担が増大することのないように、電力量料金単価を調整するとしています。これによって、見直し前後の電気料金は同水準のまま維持される見通しです。

 

続いて、現行の標準メニューは、一部のプランをのぞいて2024年4月以降、新規受付を終了するとされました。2024年3月末時点で現行の標準メニューを契約している需要家は、現契約の継続、もしくは新料金プランへの切り替えのいずれかを選択できるとされています。なお、2024年4月以降も新規受付されるプランは以下の4つです。

(2024年4月以降も新規加入の申込受付を継続する電気料金プラン。出典:東京電力エナジーパートナー株式会社)

 

新たに契約する需要家だけでなく、現在契約中の需要家にとっても大きな影響が予想されます。関係するすべての需要家は、今回の発表をしっかりと理解し、適切な判断をすることが大切です。

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