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「トラッキング付非化石証書」活用進む、最低価格は当面据置きに

伊藤忠商事株式会社は2019年12月17日、東京本社ビルで使用する電気を100%再生可能エネルギー由来とすることを発表しました。これは、東京電力エナジーパートナーから購入した電気に、前橋バイオマス発電所のトラッキング情報付き非化石証書を組み合わせた、実質CO2フリー電気に切り替えるというものです。2020年1月からこの電気の供給を開始するとのことです。

また12月2日、コスモ石油マーケティング株式会社は、同じく非化石証書を用いた再エネ由来の環境価値を持つ、新たな電力プラン「コスモでんきクリーン」の販売開始についてリリースしています。これは一般家庭を対象とし、料金や特典以外に、エネルギーの由来や環境への影響といった観点から電力を選択したいというユーザー向けのメニューです。

このトラッキング情報付き非化石証書は、事業運営に使用する電気を再エネ100%とすることを目指す国際イニシアチブ「RE100」への適用も可能です。B2B、B2Cともに、よりクリーンな電力に対するニーズが大きく高まっています。

非化石証書価格は1.3円を維持 20年2月オークションも約定量増加の予想

特定の発電所由来であることを証明する9つの属性情報が追跡できる、トラッキング情報の実証実験は2019年2月から始まり、現在までに4回の実証が行われています。トラッキング情報のないオークションは、それ以前の2018年5月から実施されていましたが、トラッキング導入後のFIT非化石証書の約定量の伸びは、目覚ましいものがあります。

2019年8月は約1.1億kWhであったのに対し、直近の2019年11月には約1.9億kWhと、過去最高の約定量を更新しました。

先日、楽天株式会社が加盟を発表したことで国内のRE100加盟企業が30社となり、また当社も参加しているRE actionなど、中小企業間での動きも活発化しています。次回のオークションは、さらなる約定量の伸びが予想されます。

こうした取引量増加を受け、12月6日の「電力・ガス基本政策小委員会 制度検討作業部会」では、非化石証書の最低価格を当面1.3円/kWhで据え置く方針を固めました。非化石証書を活用した新たなサービスは、今後一層活発になると思われます。

次回のトラッキング情報付非化石証書オークションは、2020年2月の予定です。最新情報が分かり次第、本ブログにてお届けしてまいります。

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