エネルギーソリューションで得られた知見を
アウトソーソングにて還元。
お客さまごとに異なる状況やニーズに合わせ、
“オーダーメイド” で必要なご支援をさせていただきます。
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- 電力調達支援
- 電力契約の見積先選定、見積依頼、比較検討、各社との交渉から契約に至るまで電力調達に係る業務を一貫してサポートいたします。
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- 再エネ調達支援
- 貴社調達ポリシーに基づいた現実的な調達計画の策定から、自己託送やオフサイトPPA、FIP、蓄電池等の様々なモデルの検討を行います。
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- セカンドオピニオン
- 電力会社との交渉の中でのご相談や交渉結果のセカンドオピニオンとしてご活用いただけます。
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- ロードマップ策定支援
- お客さまの「ご要望を第一」に最適で実現可能な調達案をご提示致します。また、計画策定だけにとどまらず、環境目標達成まで全力でサポートいたします。
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- JCM支援
- 日本政府が実施する二国間クレジット制度資金支援事業のうち設備補助事業に係る業務の支援を致します。
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- 制度・市況情報提供
- 電力制度や市況環境の変化をピックアップし、タイムリーにわかりやすく解説。エネルギーに関して包括的にサポートいたします。
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- 環境価値調達支援
- FIT非化石証書の仲介販売、J-クレジットの販売、海外証書(I-REC)の仲介販売をしております。
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- 自治体CN支援
- 補助金事業申請までのサポートから、採択後の事業実施まで支援させていただきます。
事例・お客さまの声
Case & Voice
Case & Voice
Case.01
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- 業種
- 生活消費材製造
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- 顧客名
- I社さま
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- 実施項目
- ロードマップ策定支援、再エネ調達支援、セカンドオピニオン
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お客さま
の声 - 弊社の再エネ100%達成のためのロードマップ策定支援からお世話になりました。弊社の調達方針への理解から、我々の目標を具現化するためのサポートをいただいただけでなく、工場側との対話と計画策定後の再エネ調達の面までご支援いただいたことでスムーズに再エネ化を推進することができています。
電力会社との交渉もバックアップいただき、電力会社から提示される条件が本当に弊社にとって良いものなのか、客観的な意見がいただけたことは、社内で判断する際に大変助かりました。
また、太陽光を検討する際に複数事業者の見積もりの比較をまとめていただきました。事業者間で異なる仕様のものを比較可能な状態に整理していただき、複雑な条項を分かりやすく解説していただいたことで、本来であれば見落としていたであろう事項が明らかになり、適切な判断をすることができました。
リアイバリューさんへは電力に関することはほぼ全てお任せできるので、弊社の心強いパートナーであると感じております。
Case.02
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- 業種
- エネルギー
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- 顧客名
- J社さま
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- 実施項目
- 電力事業立ち上げ、電力メニュー構築、営業支援等
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お客さま
の声 - 当社の電力事業を立ち上げる際からお世話になっています。ライセンス取得に係る書類の準備から社内用の説明資料まで幅広くお願いし、お陰でスムーズに立上げることができました。リアイバリューさんは電力関係の実務面に強く、これが他社サービスとの違いだと思います。継続して電力周りのご支援をお願いしていますが、困りごとがあるとすぐに回答をいただけたり、資料作成も高い品質のものをスピーディーに提供いただいています。電力に関する制度や情報はとても複雑と感じているのですが、作成いただく資料は重要ポイントがまとまっており、当社がお客さまへご説明する際やご提案する際に非常に伝わりやすいです。今後も当社の事業展開においてお世話になります。
ご利用の流れ
Step
Step
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STEP.01
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STEP.02
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STEP.03
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STEP.04
よくあるご質問
FAQ
FAQ
- アドバイザリーのメニューはありますか。
- お客さま毎に課題やニーズは異なりますので、丁寧にヒアリングさせて頂いた上でご予算に応じてご提案させて頂きます。
- ご契約期間は決まっていますか。
- お客さま毎に課題やニーズは異なりますので、丁寧にヒアリングさせて頂いた上でご予算に応じてご提案させて頂きます。
- 電力や環境価値に関する勉強会の開催もお願い出来ますか。
- 基礎的な内容から、調達・予算策定に繋がる実践的な内容まで、お客さまのニーズに応じて対応させて頂きます。
- 電力制度が複雑と感じています。制度関連の勉強会の開催もお願い出来ますか。
- 当社は、制度内容に精通しているだけでなく、常に最新の情報にキャッチアップしておりますので、最新の制度状況をわかりやすく解説させて頂きます。
- 強みは何ですか。
- 当社は自ら実践し、培った実務を通じた具体的なノウハウを提供させて頂いております。
- 海外事業所の再エネ化も支援いただけますか。
- 再エネ証書の調達や各種調査も含め、ご支援が可能です。※国によってはご対応困難な場合があります。
- 打ち合わせの頻度はどれくらいですか。
- お客さま毎の課題やニーズ、ご予算に応じて対応させていただきますが、お打合せ頻度に関わらず、ご質問等は随時メールや電話でお問い合わせをして頂けます。
- 予算が限られているのですが。
- お客さまのご予算に合わせて柔軟にご提案をさせて頂きますので、ご相談ください。
- どのような実績がありますか。
- 大手企業さまのロードマップ策定や再エネ調達支援、サプライヤーである中小企業さまの排出量算定から再エネ調達支援まで、業種や規模に関わらず幅広くお客さまのニーズに沿ったご支援をさせて頂いております。
- 我々から提供するものはありますか。
- 業務遂行に必要となる関連データ等のご提供をお願いしております。ご提供前にNDAを締結させていただきます。
- 業界の最新動向などはどのように得ているのですか。
- 弊社は、新たな取り組みを自ら実践していくことと、長くエネルギー業界に携わる“独自の情報網”で情報収集をしております。
- 例えばロードマップの策定を支援いただいた場合、実行するまで支援いただけますか?
- はい、実調達面でのご支援も可能です。電力会社との交渉の支援や、セカンドオピニオン提供、契約内容の比較など、ご要望に合わせてご支援をさせて頂きます。
- 社内向けの説明資料作成や社員教育のための勉強会もやっていただけますか?
- お客さまのニーズに合わせて、柔軟にご対応させていただきます。
用語辞典
Dictionary
Dictionary
- RE100
- 企業の事業活動で使用する電力をすべて再生可能エネルギーとすることをコミットする国際的なイニシアチブ。世界的に影響のある企業が加盟することで、政策決定者や投資家への影響力を発揮することを期待されている。The Climate Group がCDP とのパートナーシップのもとで主催し、We Mean Business 連合の一部としても運営されている。日本では日本気候リーダーズ・パートナーシップ(JCLP)が、日本企業の参加のための支援を行っている。
- CDP
- CDPは気候変動などの環境分野に取り組む国際NGO。投資家の要請を集約し、企業に環境情報の開示を促す。CDPは、気候変動が企業に与える経営リスクの観点から、事業活動によるCO2排出量や環境活動の取組に関する質問書を企業に送付し、回答内容を8段階で評価し、その結果を開示する。現在、質問書は「気候変動」「ウォーター」「フォレスト」の3つに加え、「サプライチェーン」も含まれる。
- カーボンニュートラル
- CO2、N2O、フロンガスといった温室効果ガスの排出をネットゼロにすること。日本では2050年までに「カーボンニュートラル」を目指すことを2020年10月に所信表明演説にて菅元総理が宣言している。排出を完全にゼロに抑えることは現実的に難しいため、排出せざるを得なかった分については、同じ量を吸収または除去することで差し引きゼロ=ニュートラル(中立)を目指す。
- SBT
- Science Based Targetsの略称で、企業が設定する「温室効果ガス排出削減目標」の指標のひとつとなる国際的なイニシアチブ。パリ協定が求める水準と整合している。スコープ1,2の目標として、1.5℃水準以上の総量削減目標と整合した目標であることが必要であり、スコープ3排出量がスコープ1,2,3排出量合計の40%以上である場合、スコープ3の目標設定も必要となる。なお、クレジットやオフセットを目標達成のための排出量削減量としてカウントすることは認められていないが、再エネ発電由来J-クレジットは使うことが認められている。
- GHGプロトコル
- 温室効果ガス(Greenhouse Gas=GHG)排出量を算定・報告する際の国際的な基準。1つの企業から排出された温室効果ガスだけではなく、サプライチェーン全体の排出量も重視している点が特徴。排出量は「スコープ」という考え方にもとづいて計算され、排出のされ方や排出者によって「スコープ1(直接排出量)」「スコープ2(間接排出量)」「スコープ3(サプライチェーン排出量)」の3つの区分に分けられる。
- 温対法
- 「地球温暖化対策の推進に関する法律」の略称であり、日本の地球温暖化対策の基盤となる法律。異常気象の増加や「京都議定書」の採択を受け、1998年に制定された。直近ではパリ協定および「カーボンニュートラル」宣言を受け2021年に改定され、地域の再エネ導入の促進を目的とした事業計画・認定制度が創設された。多種の事業者を対象としており、多量に温室効果ガスを排出する事業者(例:全ての事業所のエネルギー使用量合計が原油換算1,500kl/年以上の事業者)に関しては、事業内容にかかわらず温対法で定めている算定・報告が義務付けられている。
- 追加性
- 自然エネルギーによる電力を調達する際に、発電設備を新設(追加)すること。新たな再エネ電源の需要を高め、エネルギー転換を図ることが目的。RE100において技術要件が改定され、2024年1月以降に調達する電力において、再エネ電源からの購入電力については、運転開始日(試運転日)またはリパワリング日から起算して15年以内の電源からの調達が必要となる(15年ルール)。
- パリ協定
- 2015年12月にフランス・パリで開催されたCOP21で世界約200か国が合意して成立した国際的枠組み。1997年に定まった「京都議定書」の後継であり、排出量削減の努力を先進国のみならず途上国を含め全ての参加国に求めている。世界の平均気温上昇を産業革命前と比較して、2℃より充分低く抑え、1.5℃に抑える努力を追及することが目的。発効条件は①55か国以上が参加すること、②世界の総排出量のうち55%以上をカバーする国が批准することとなっている。
- 最終保障供給契約
- 電力の供給を受ける需要家が、小売電気事業者の撤退や不測の事態によって、いずれとも需給契約の交渉が成立しなかった場合、各一般送配電事業者から電力の供給を受ける仕組み。いわゆるセーフティネットの機能を果たす。料金の設定は国が決めており、2022年から市場連動に伴い市場価格調整額を含む料金体系となった。通常の料金より高いことが特徴。
- ESG
- 環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(Governance)の頭文字を取って作られた言葉。気候変動や人権問題といった世界的な社会課題が顕在化している中、企業が長期的に成長するために、経営において必要とされる3つの観点。財務状況だけでなく、非財務状況も重視した「ESG投資」を行う投資家が増えていることもあり、配慮ができていない企業は投資家などから企業価値毀損のリスクを抱えているとみなされる。
- SDGs
- 2015年の国連サミットで加盟国の全会一致で採択された、「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)」の略称で、2030年までに、「誰一人取り残さない」、持続可能で多様性と包摂性のある社会の実現を目指した国際目標。17のゴール・169のターゲットから構成されている。
- COP
- 「気候変動枠組条約締約国会議」であり、気候変動枠組条約における最高意思決定機関。毎年開催されており、すべての協定締約国が参加し、条約の実施に関するレビューや各種決定を行う。究極の目的は大気中のCO2などの「温室効果ガス」の濃度を安定させること、地球温暖化がもたらすさまざまな悪影響を防止すること。
- カーボンプライシング
- 企業などの排出するCO2に価格をつけ、排出者の行動を変容させる政策手法。例として、炭素税の導入や国内排出権(排出量)取引、クレジット取引があげられる。政府主導の仕組み以外にも、企業が自社のCO2排出に対し、価格付けや投資判断に活用することで企業の低炭素投資・対策を推進する仕組みとして「インターナル(企業内)・カーボンプライシング」がある。
- 炭素税
- 「カーボンプライシング」のひとつ。炭素税は、企業などが燃料や電気を使用して排出したCO2に対して課税する経済的な政策手段。日本では、2012年に「地球温暖化対策のための税」として、石油・天然ガス・石炭といったすべての化石燃料の利用に対し、二酸化炭素排出量に応じて課税される税制が導入された。
- 排出権(排出量)取引
- 「カーボンプライシング」のひとつ。設定された温室効果ガスの排出枠を企業などが売買する制度で、排出枠を超過した分を購入した企業は、排出削減をしたとみなされる。日本では経済産業省が主導するGXリーグにおいてGX-ETS(Emission Trading Scheme)が開始される。取引市場については、2023年10月から東京証券取引所で「カーボン・クレジット市場」が開設された。
- GXリーグ
- 2050年のカーボンニュートラル実現を見据え、企業群が自ら以外のステークホルダーも含めた経済社会システム全体の変革(GX=グリーントランスフォーメーション)を牽引していくために、官・学と共に議論・協働を行う枠組み。経済産業省が創設した。2030年度に加え2025年度までの排出削減目標を設定し、実績を算定・報告する必要があり、排出量取引も可能。GXダッシュボードにおいて、各企業の排出削減目標や削減取組が公表されている。
- TCFD
- 「気候関連財務情報開示タスクフォース(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)」の略称。気候関連の情報開示および金融機関の対応をどのように行うかを検討するため、金融安定理事会(FSB)により設立された国際的組織。企業が気候変動のリスク・機会を認識し経営戦略に織り込むことは、ESG投融資を行う機関投資家・金融機関が重視しており、企業等に対し、①ガバナンス、②戦略、③リスクマネジメント、④指標と目標について開示することを推奨している。
- サプライチェーン排出量
- 自社の温室効果ガス排出量(直接排出)だけではなく、原材料や部品の調達、生産、物流、販売、廃棄の一連の流れを含めた、他の企業の温室効果ガス排出量(間接排出)を含んだ排出量のこと。事業活動にかかわる全ての排出量を算定することにより、排出量の多い部分や削減ポテンシャルの大きい部分を明確にでき、優先的に削減すべき対象を特定することが可能。加えて、環境対応企業として社会的信頼性を向上させることができる。
- 省エネ法
- 「エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律」の通称。石油危機を契機として1979年に制定。原油換算で1,500kl/年以上のエネルギーを使用する事業者に、エネルギーの使用状況等について定期的に報告を求めている。温対法との相違点は対象者の範囲であり、「工場または事業所その他の事業場」「輸送」「住宅・建築物」「機械器具」の4つの分野に当てはまる事業者のみ規制の対象としている。
- 自己託送
- 一般送配電事業者が保有する送配電ネットワークを使用して、自家用発電設備を保有する需要家が、別の場所にある工場等の需要地に送電する制度。送電先は、自家用発電設備を保有する需要家と資本関係があるなど、密接な関係を持つ者である必要がある。なお、自己託送は自家発自家消費の延長と考えられることなどから、再エネ賦課金を徴収する対象となっていない。
- 容量市場
- 4年後の電気の供給力(kW)が取引される市場。発電事業者が保有する「4年後に供給が可能な状態にできる電源」が募集され、価格が安い順に落札される。発電事業者は、広域機関から対価を受け取り、小売電気事業者は、将来必要となる電源の容量を確実に確保する対価として、広域機関にその費用を支払う。発電事業者は供給力の提供の対価をあらかじめ想定できることで、不安定な売電収入の想定だけに頼ることなく、設備投資を行い発電設備を維持できるようになる。出力の不安定な再エネを支え、再エネの主力電源化に役立つ制度で、2020年に初回オークションが行われた。
- 長期脱炭素電源オークション
- 容量市場の一部として、脱炭素電源への新規投資の促進を目的として2023年度から導入されたオークション。脱炭素化に向けた新設・リプレース等の電源投資に対し、収入の水準を確定させ予見可能性を高めることで、電源投資を促進するもの。太陽光、風力など、募集要綱に電源種ごとに定められた条件を満たす電源が参加対象となる。
- 需給調整市場
- 電力需給のバランスを維持したり周波数制御を行ったりするのに欠かせない「調整力」を取引する市場。従来は各エリアの一般送配電事業者が公募により調達していた。取引される商品として、応動時間の遅い三次調整力②から順次導入され、2024年4月から一次調整力・二次調整力①・二次調整力②を導入し、全ての商品区分で市場取引を開始した。
- ベースロード電源市場
- ベースロード電源(石炭火力・大型水力・原子力・地熱)を年間固定価格で購入できる市場。ベースロード電源の供給力の大半を占める大規模事業者に対し電気の供出を制度的に求め、大規模事業者と新電力双方によるアクセス環境のイコールフィッティングを図ることを目的として創設された。受渡し年度の前年度に、年4回オークションが開催される。
- スポット市場
- 翌日に発電または販売する電気を前日までに入札し、売買を成立させる市場。卸電力取引所が開催しており、取引量が最も大きい。1コマ30分単位で取引され、1日当たり48コマの商品がある。売買が均衡する価格と量で取引が成立となる、シングルプライスオークション方式を採用している。
- 時間前市場
- 実需給の直前まで電気の取引が可能な市場。卸電力取引所が開催しており、当日の発電不調や気温変化による発電・需要の調整の場となる。最短で1時間後、最長で30時間後に受け渡す電気を30分単位の商品ごとに取引している。価格優先・時刻優先のザラバ方式で取引を成立させている。
- 再エネ価値取引市場
- FIT電源の環境価値を対象とし、小売電気事業者に加え需要家も購入可能なFIT非化石証書を取引する市場。再エネ電気への需要家ニーズの高まりに対応するため、トラッキング付としGHGプロトコルにも通用する形で取引ができるよう創設された。
- 常時バックアップ
- 新電力が需要家に電力を供給するにあたり、旧一般電気事業者から継続的に電力の卸供給を受けること。新電力が参入する際に、ベース電源となる供給量の不足に対応するためにできた仕組み。電気事業法上規制をされていないが、公正取引委員会と経済産業省で定める「適正な電力取引についての指針」において、旧一般電気事業者が正当な理由なく常時バックアップを拒否することを問題となる行為としている。
- 計画値同時同量制度
- 発電事業者と小売電気事業者が作成した発電計画・需要計画と、実際の発電・需要実績を一致させる制度。2016年4月に実施された電力小売全面自由化を機に導入された。前身は30分単位で自社の顧客の需要量と発電量を一致させる「実需同時同量」。発電事業者・小売電気事業者は前日正午までに翌日(1コマ30分単位の計48コマ)の計画をそれぞれ作成し、電力広域的運営推進機関に提出する。
- インバランス
- 発電事業者と小売電気事業者が作成した発電計画・需要計画と、実際の発電・需要実績との間に発生した差分のこと。インバランスは一般送配電事業者が調整力を用いて補填・吸収している。なお、インバランス調整に要したコストについては、インバランスを発生させた事業者と一般送配電事業者との間で事後に精算している。
- 不足インバランス
- 発電事業者においては発電計画>発電実績となった場合に、小売電気事業者においては需要計画<需要実績となった場合に発生したインバランス。この場合は発電事業者・小売電気事業者がインバランスの補給を受けたため、インバランス料金を一般送配電事業者に支払う。
- 余剰インバランス
- 発電事業者においては発電計画<発電実績となった場合に、小売電気事業者においては需要計画>需要実績となった場合に発生したインバランス。この場合は一般送配電事業者が余剰分を引き取ることになるため、インバランス料金を一般送配電事業者から受け取る。
- 需給管理
- 計画値同時同量制度のもと、需要電力について計画を作成し、その計画に基づいた調達を行い、当日の実需要を監視、最適な運用対応をすることで、全体を管理すること。需給バランスを保つ必要のある電力の安定供給のためにも、電気事業者は常に変動する需給バランスに応じた対応が必要となる。
- バランシンググループ
- 複数の事業者が集まり、インバランスの精算を合算して算定する対象となる単位。計画値同時同量の達成の難しい新電力が、多額になるおそれのあるインバランス料金の負担リスクを軽減させることができることをメリットとして活用している。
- 需要バランシンググループ
- 小売事業者によるバランシンググループ。同一の供給区域内で構成され、1つまたは複数の小売電気事業者が1つのグループとなり、一般送配電事業者と1つの接続供給契約を締結する。接続供給契約単位で各種計画を作成する。
- 発電バランシンググループ
- 発電事業者によるバランシンググループ。同一の供給区域内で構成され、1つまたは複数の発電所が1つまたは複数のグループとなり、一般送配電事業者と1つの発電量調整供給契約を締結する。なお、1つの発電所が複数のバランシンググループに属することも可能であり、複数のバランシンググループを束ねることも可能。発電契約単位で各種計画を提出する。
- 内外無差別
- 大手電力会社と新電力との公平な競争環境を目指した取引の取り組み。電源の大半を保有する旧一般電気事業者が、自社グループ内の小売部門に有利な条件で卸売りを行うことは適正な競争を歪曲する恐れが生じるため、電力・ガス取引監視等委員会が旧一般電気事業者に対して内外無差別に卸売りをすることを求めた。
- Demand Response (DR)
- エネルギーの需要側が供給状況に応じて電力需要パターンを変化させることで、電気の安定供給に欠かせない需給バランスを確保する取り組み。従来は需要に供給を合わせる取組が一般的だったが、近年の再エネ導入拡大により、供給側の変動が大きく電力需要の増加へ対応するのが難しいことから、重要視されるようになった。
- 上げDR
- 電気の需要量を増やすこと。電力供給>電力需要の場合に発動する。例えば、再生可能エネルギーの過剰出力分を需要機器を稼働することで消費することや、蓄電池の充電により吸収することがあげられる。
- 下げDR
- 電気の需要量を減らすこと。電力供給<電力需要の場合に発動する。例えば、電気のピーク需要のタイミングで需要機器の出力を落とすことや、自家発電を稼働させることで、需要と供給のバランスを取ることがあげられる。
- 系統用蓄電池
- 電力系統(発電所・変電所・送電線・配電設備)に直接接続する蓄電池のこと。自家消費や非常用電源目的の蓄電池とは区別される。従来の蓄電池が持つメリットである、再生可能エネルギーの有効活用や使用量の最も多い時間帯の使用電力量を削減したピークカットによる電気料金の削減に加え、市場取引への参入による収益化が期待されている。
- Behind-the-meter
- 需要家側に設置する蓄電池のこと。電力メーターを境に、電力会社の変電所など系統側(Front)と需要家側(Behind)を区別することに由来する。太陽光発電など自家発電設備と組み合わせて利用し、余剰電力を蓄電池に貯めて自家消費することで、電気料金の削減につながる。海外の事例では、家庭用蓄電池の余剰電力を買い取り、別のユーザーに対して売電するサービスや、分散型電源を一括管理し、需給ひっ迫のタイミングで必要な容量を拠出するサービスも運用されている。
- 分散型電源
- 需要家エリアに隣接して分散配置される、小規模な発電設備全般の総称。例として、太陽光発電など再生可能エネルギーを利用した発電設備や、家庭用蓄電池や電気自動車など電力貯蔵システムがあげられる。
- VPP
- 太陽光発電や家庭用燃料電池などのコージェネレーション、蓄電池、電気自動車、ネガワット(節電した電力)などの需要家側エネルギーリソースを束ねて、負荷平準化や電力不足時の供給などの機能として電力システムに活用する仕組み。分散型のエネルギーリソースを束ね、遠隔・統合制御することであたかも一つの発電所のように機能することから、「仮想発電所(Virtual Power Plant:VPP)」と呼ばれる。
- アグリゲーター
- VPPにおいてコントロールの司令塔の役割を担う者。需要家との間でVPPサービス契約を締結し、制御を行うリソースアグリゲーターと、リソースアグリゲーターが統合・制御した電力量をさらに束ね、一般送配電事業者や小売電気事業者と直接取引を行うアグリゲーションコーディネーターの2つの役割があり、両役割を兼ねる事業者も存在する。
- 需要家
- 企業や工場、家庭などエネルギーの供給を受ける対象のこと。
- 発電事業者
- 一定規模以上の発電設備を保有し、小売電気事業者、一般送配電事業者、配電事業者又は特定送配電事業者電気を供給するために発電事業を営む事業者。条件を満たす発電設備において、小売電気事業のために供給する電力の合計が1万kWを超えるものであることが発電事業の要件。事業を行う場合は、開始前までに発電事業届出書を管轄区域の経済産業局に提出する義務がある。
- 送配電事業者
- 送電線・配電線などの送配電ネットワークを管理し、発電所から需要家まで電気を送る役割を担う事業者。旧一般電気事業者10社の送配電部門にあたる一般送配電事業者と、自らが維持する送電線・配電線を使って特定の供給地点において託送供給を行う特定送配電事業者の2種類がある。
- 電力広域的運営推進機関(OCCTO)
- 2015年4月に発足した電力広域的運営推進機関の略称。東日本大震災後、地域ごとに独占的事業者が供給する仕組みを見直すべく、電力の安定供給の確保、電気料金の最大限の抑制、電気利用の選択肢や企業の事業機会の拡大の3つの目的の実現に向けて、日本全国の電力を安定供給する司令塔として電力システム改革を進めた。広域機関の主な役割は、①全国規模での平常時・緊急時の需給調整機能の強化、②中長期的な電力の安定供給の確保、③電力系統の公平な利用環境の整備の3つがある。
- 電力・ガス取引監視等委員会
- 電力・ガス・熱供給の自由化に当たり、市場の監視機能等を強化し、市場における健全な競争を促すために設立された、経済産業大臣直属の組織。電力・ガスに関するさまざまな市場ルールづくりに関与し、市場を監視しながら事業者に対して報告徴収や立入検査、業務改善勧告を行っている。
- 電気事業低炭素社会協議会
- 「電気事業における低炭素社会実行計画(現カーボンニュートラル行動計画)」で掲げた目標達成に向け、取組を着実に推進するために、2016年に設立された任意団体。会員である電力各社の総販売電力量シェアは全体の9割近くを占める。カーボンニュートラル行動計画では、政府の掲げるCO2削減目標に基づく排出係数実現を目指す自主的取り組みを行っている。
- 送配電網協議会
- 送配電事業の一層の中立性・透明性を確保する観点から、電気事業連合会から独立する形で2021年に設立された組織。会員は一般送配電事業者10者。エリアを跨いだ電力供給に関わる設備形成や運用の効率化の追求、非常災害時の連携を含めた一般送配電事業者間の協調を目的とし、情報発信や取組を進めている。
- 電気事業連合会
- 通称「電事連」。日本の電気事業を円滑に運営していくことを目的として1952年に設立された組織。全国の旧一般電気事業者10社によって運営されている。電気事業に関する知識の普及、啓発や調査研究を行っており、国内外の電気事業に関するさまざまな情報やデータ、資料を紹介している。
- エネルギー基本計画
- エネルギー政策の基本的な方向性を示すためにエネルギー政策基本法に基づき政府が策定している計画。2021年10月に第6次エネルギー基本計画が閣議決定された。2050年カーボンニュートラル実現を目指し、削減目標の実現に向けたエネルギー政策の道筋を示している。
- 電源構成
- 電力を作るエネルギーの種類で分類した発電設備の割合。安定供給やコスト、環境負荷、安全性といったあらゆる面で優れたエネルギー源はないことから、エネルギー源ごとの特性を踏まえ、バランスの取れた構成とする必要がある。
- 発電効率
- 発電するための熱や光などのエネルギーのうち、電気エネルギーとなる割合。発電効率が高いほど、発電ロスが少なくなる。
- S+3E
- エネルギー政策の大原則であり、安全性(Safety)+安定供給(Energy Security)・経済効率性(Economic Efficiency)・環境適合(Environment)の頭文字を取ったもの。経済産業省では、この「S+3E」の考え方を大前提に、2030年度における日本のエネルギー需給の見通しである「エネルギーミックス」を策定している。
- 高度化法
- 「エネルギー供給構造高度化法」の略称。電気事業者やガス事業者といったエネルギー供給事業者に対し、非化石エネルギー源の利用及び化石エネルギー原料の有効な利用を促す法律。小売電気事業者は、自ら供給する電気の非化石電源比率を2030年度において44%以上にすることが求められている。確実な達成に向け、国は毎年事業者ごとに中間目標値を設定している。
- 発電側課金
- 送配電設備の維持・拡充に必要な費用について、小売電気事業者に加え発電事業者も一部負担し、公平に費用を負担するもの。小売電気事業者がすべて負担していた費用を、系統利用者である発電事業者も一部負担する制度として2024年4月から導入された。系統を効率的に利用すること、再エネ導入拡大に向けた系統の増強が主なねらいとなっている。
- エネルギーミックス
- 複数の発電方法を組み合わせ、エネルギーをバランスよく使っていくことで、社会に必要な電力を供給すること。国際的にもエネルギー需給が不安定となる中、エネルギー資源の少ない日本においては、安定した電力供給のために必要とされる。日本では2030年度のエネルギーミックス目標の実現に向け、火力発電に依存せず、再生可能エネルギーによる発電も含め、他の発電方法の比率を引き上げていく必要があるとされている。