電力需給管理業務の概要
需給管理業務とは
小売電気事業において電力需給管理業務とは、コストを最小限に抑えるために重要な業務であることは前回のとおりです。では実際にどのような業務があるのでしょうか。
電気には保存ができないという大きな特徴があります。一般的な商材と異なり、在庫ができないのです。蓄電池という商品もポピュラーになりつつありますが、電力全体の需要をバックアップできるほどの技術は開発されていないのが現状。保存ができないということは、需要と供給を都度ぴったりと合わせていく必要があるということです。需要に対して供給が多くてもムダが出ますし、足りなくても問題。できる限り余剰も不足も出ないように運用するのが、需給管理業務の意義といえます。
需給管理業務のプロセス
電力の需給管理業務のプロセスは、大きく分けると以下の通りです。
1.需要電力の予測を作成
2.需要計画の作成
3.需要計画に基づいた電源調達及び販売計画の作成
4.需要・調達・販売計画を広域的電力運営推進機関(OCCTO)へ提出
5.当日の実需要を監視・最適な運用対応
電力は30分1コマという単位で管理されます。1日24時間を48コマとして、予想される電力需要の想定や、それに基づいた計画などを作成する必要があるのです。例えば、お盆やお正月など多くの企業が長期休暇となる際は、電力の需要が大幅に小さくなることが予想されます。また、雨天など太陽光発電量が少ない場合は別の電源種別からの調達に変更するなど、天候や生活パターンに深く関わっているのも電気ならではといえるでしょう。
電力の需給管理業務は、事業の収支に大きく関わると同時に専門性が求められます。2000年までは大手電力会社の一部でしか行われてこなかった需給管理業務。今ではそのニーズが高まり、需給管理業務をアウトソーシングする専門の会社も存在するほどです。また、電力システム改革に伴い需給管理から派生する様々なサービスも進化を遂げつつあります。こちらのブログでは、新たなサービスや最新の動向を随時ご紹介していきます。ぜひご注目ください。
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