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2022.08.30ニューストータルエネルギーソリューション

系統用蓄電池とは? 電気事業法改正で10MW以上が「発電事業」に

電力の安定供給に役立つと期待される「系統用蓄電池」。今般の法改正で、新たに発電事業に位置付けられました。補助制度の後押しもあり、今後、導入が進むと予想される系統用蓄電池についてご説明します。

 

系統用蓄電池とは

系統用蓄電池とは、電力系統や再生可能エネルギー発電所などに接続する蓄電池を指し、電力系統の安定化のために運用されるものです。蓄電池はこれまで、需要地につなぎ、電力需要に合わせて充電・放電を行うことが一般的でした。これに対して、系統用蓄電池はネットワーク側に位置付けられ、電力の安定供給を目的に運用されるという点が特徴です。

 

こうした特徴から、系統用蓄電池は、天候などによって発電出力が変動しやすい再生可能エネルギーの導入をサポートする役割が期待されています。2021年10月に閣議決定された「第6次エネルギー基本計画」では、2030年に向けて再生可能エネルギーの導入を拡大するため「系統用蓄電池の電気事業法への位置付けの明確化」に取り組むという方針が示されていました。



大型系統用蓄電池は「発電事業」に

系統用蓄電池と同様に、電力系統の調整機能をもつ発電方法が揚水発電です。揚水発電は、発電だけでなくポンプアップによる需要の側面も兼ね備えています。こうした需要と供給の両面から、電力の安定供給に役立つ調整機能を有しているのです。現行の法制度では、10MW以上の大規模な揚水発電を「発電事業」と位置付け、適切な事業規制を課しています。

 

そこで、同様の調整機能をもつ系統用蓄電池についても、揚水発電にならって10MW以上を「発電事業」と位置付けることが決定しました。これは、2022年5月に改正された電気事業法に盛り込まれたもので、2023年4月からの施行が予定されています。そのため、現在、大型系統用蓄電池に関連する保安規制や電気主任技術者の選任、検査や事故報告のルールなどについての規制措置が検討されているところです。




(大型の系統用蓄電池のイメージ。出典:経済産業省 第43回 電力・ガス基本政策小委員会 資料5-1『今後の電力システムの主な課題について』より抜粋)



系統用蓄電池の取り組み、着々と

資源エネルギー庁では、優れた調整力の供出や再生可能エネルギーの余剰電力を吸収できる系統用蓄電池に対して、補助制度を通じて普及を支援しています。「令和3年度補正 再生可能エネルギー導入加速化に向けた系統用蓄電池等導入支援事業」においては、関西電力・オリックスや東邦ガス、NTTアノードエナジーなど13社が採択されました(うち北海道電力は水電解装置での採択)。

 

この7月には、関西電力とオリックスが、和歌山県内の関西電力送配電の変電所構内に出力48MW、容量113MWhの系統用蓄電池(リチウムイオン電池)を設置することで合意したと発表。2024年4月の事業開始を予定しているとのことです。また、8月には、東邦ガスが系統電池用のNAS電池11.4MWを日本ガイシに発注したことも公表されました。

 

今後、系統用蓄電池の導入がさらに進むことで、再生可能エネルギーの出力制御量の低減や電力市場価格の抑制など、さまざまな効果が発揮されるよう望まれます。

 

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