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2023.10.12ニューストータルエネルギーソリューション再エネ調達

カーボン・クレジット市場が開設。初日の取引は「再エネ電力」約8割

東京証券取引所(東証)は2023年10月11日、CO2排出量を取引するカーボン・クレジット市場を開設しました。市場参加者数は188者、Jクレジット5区分の合計3,689t-CO2で初日の取引を終えました。

 

カーボン・クレジット市場の初日の取引結果

カーボン・クレジット市場とは、CO2削減に取り組む企業などに向けて新たに東京証券取引所(東証)内に創設されたものです。昨年9月から今年1月まで経済産業省による実証事業が行われ、2023年10月11日に開設、取引開始されました。現在、カーボン・クレジット市場で取引できるのは、国内で広く流通しているJクレジットに限られています。

 

初日の取引結果は以下の通り。省エネルギー、再生可能エネルギー(電力/熱)、森林、地域版Jクレジットなど5区分の合計3,689t-CO2のJクレジットが売買されました。注文の受付時間は午前11時30分の「セッション1」と午後3時「セッション2」の2回です。もっとも取引量が多かったのは、再生可能エネルギー(電力)の「セッション2」で、取引量合計の約8割を占める3,001t-CO2が取引され、終値は1t-CO2あたり3,060円となりました。

(カーボン・クレジット市場の市場開設日の売買状況について。出典:東京証券取引所



市場参加者の約4割がGXリーグ参画企業

東証によると、カーボン・クレジット市場の取引に参加したのは188者です(2023年9月19日現在)。小売電気事業者のほか、金融機関や製造業、商社などの民間企業、地方自治体や団体など、さまざまな立場の事業者が参加しています。業種を超えて多様な主体が参加していることから、カーボン・クレジット市場に対する期待の大きさが感じられます。

 

また、188者のうち66者が経産省によるGXリーグの参画企業でした。カーボン・クレジット市場は、GX(グリーントランスフォーメーション)に挑戦する企業が官学とともに協働する場「GXリーグ」の一部と位置付けられています。GXリーグは2026年度の本格稼働が予定されているため、今後、GXリーグ参画企業のカーボン・クレジット市場への参加が増えていくのではないかと予想されます。

 

今後の市場の活性化に必要な論点とは?

昨年9月から今年1月にかけて行われたカーボン・クレジット市場開設前の実証事業では、今後の市場取引を活性化するために必要な3つの論点が挙げられています。その論点は以下の通りです。

 

・更なる流動性の向上や市場の厚みをもたらす方策の継続検討

・取引の厚みを損なわないためのマッチングアルゴリズムやユーザーインターフェース

・クレジットの追加及びデリバティブの導入

(出典:資源エネルギー庁

 

実は、現在のカーボン・クレジット市場では、Jクレジットの売買の区分が省エネ、再エネ(電力/熱)、森林などクレジットの活用用途に応じた6種類に限定されています。取引をより活発にするには、こうした売買の区分を追加することが重要だと言えます。また、Jクレジットだけでなく、JCMなど取り扱うクレジットの種類そのものも拡大していく必要があるでしょう。当ブログでは、これからのカーボン・クレジット市場の動向についても引き続きレポートしていきます。

 

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