2019年12月2日から13日の会期で開催されたCOP25。来年2020年から温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」が始まることを念頭に、多くの議題がディスカッションされました。
今回のCOP25のポイントは以下の4つだといわれています。
(1)「パリ協定」の積み残しルールの詳細決定
(2)各国の温室効果ガス排出削減目標の引き上げ
(3)非国家アクターの動き
(4)石炭からの脱却
今回のCOP25の大きな成果のひとつは、”(2)各国の温室効果ガス排出削減目標の引き上げ”について、2050年までに温室効果ガス(GHG)の排出を実質ゼロにすると宣言した国が増えたことでしょう。今年9月23日ににニューヨークの国連本部で開かれた国連気候行動サミット2019では、65カ国がその宣言を行いましたが、今回のCOP25では73カ国に増えました。
これに呼応するかたちで、EUも2030年のGHG削減を、パリ協定における1990年比で40%削減という目標から大幅に引き上げ、50~55%削減とすることを発表しました。EU内で足並みをそろえるなどの課題はありますが、温暖化対策を世界的にけん引しようとする意気込みが感じられます。
GHGのダブルカウント、京都メカニズムの扱いに焦点
”(1)「パリ協定」の積み残しルールの詳細決定”で注目されているのは、GHGの削減量を国際的に移転・取引するための「市場メカニズム」です。これは昨年2018年にポーランド・カトヴィツェで開催されたCOP24で議論される予定のテーマでしたが、その複雑さのため1年間持越しとされていました。
「市場メカニズム」とは、パリ協定の第6条に規定された3つのアプローチをさします。1つ目は、日本がすでに実施している二国間クレジット(JCM)などの「協力的アプローチ」、2つ目は京都メカニズムに代表される「国連管理型市場メカニズム」、そして3つ目はまだ具体的に議論されていない「非市場アプローチ」の3つです。
この「市場メカニズム」の論点は大きく2つです。それは、GHG削減量を取引する上でダブルカウンティング(二重計上)をいかに避けるか、そして未使用のまま残っている京都議定書時代のクレジットを利用可能とするかどうかです。
この論点について先進国と新興国が大きく対立しており、COP25の1週目では結論が出なかったとされています。当ブログでは、最新の動向がわかり次第逐次お届けしてまいります。
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