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2022.06.16ニュース再エネ調達

非化石証書トラッキング、2023年度オークションから有償化? 経産省が案

経済産業省は2022年6月8日、制度検討作業部会において、非化石価値取引市場、ベースロード市場、容量市場の3テーマについての「第7次中間とりまとめ(案)」を書面審議しました。この記事では、その中から非化石価値取引市場について焦点を当て、重要なポイントをピックアップします。

 

トラッキングは実証を終え有償化のフェーズへ

非化石価値取引市場について特に注目したいのは、現在、国の実証事業でまかなわれているトラッキング費用の有償化についての記載です。FIT/非FIT非化石証書のトラッキング実証の概要は、以下の通りです。

出典)経済産業省 第66回制度検討作業部会 資料3「第7次中間とりまとめ(案)」より抜粋

 

先行して始まったFIT非化石証書のトラッキングは、回を重ねるごとに需要が増えています。直近の2021年11月のオークションでは、トラッキング付きFIT非化石証書の取引量が18億kWhを超えました

出典)経済産業省 第66回制度検討作業部会 資料3「第7次中間とりまとめ(案)」より抜粋

 

非FIT非化石証書のトラッキング実証はこれまで2回しか行われていませんが、同様に需要が伸びていることが確認されています。

なお、トラッキング有償化のこれまでの議論については、こちらの記事でもご紹介しています。ぜひ合わせてご覧ください。(リンク:再エネ価値取引市場、証書の活用期間は翌年6月末まで。経産省 | REiVALUE Blog

 

2023年度初回オークションから有償化の可能性

今回、トラッキング有償化の論点として、以下の3点が示されました。

<具体的な論点>  

  • トラッキングに対する費用負担者

 トラッキングを利用するのは証書を購入する側(小売電気事業者や需要家)である方向性でよいか。 

  • 費用のかけ方 

 単価を設定した上でトラッキング利用量に応じたかけ方とするか、または一定の利用範囲内毎に分けた階層的なかけ方でおこなうか。

  • 有償化の開始時期

 これまでの実証事業からJEPXの独立採算制による運営開始となることを鑑みると、十分な周知期間(例えばJEPXによる運営から1年間等)を経たうえで開始とする。

出典)経済産業省 第66回制度検討作業部会 資料3「第7次中間とりまとめ(案)」より抜粋

 

非化石価値取引市場は、2022年度初回オークション(2022年8月開催予定)からJEPXが所管することになっています。有償化のスケジュールとして「JEPXによる運営から1年間等」という例が示されたことで、2023年8月からの有償化が現実味を帯びてきました。

誰がトラッキング費用を負担するのか、また、具体的なコストについては、今後、議論が深められることになっています。

 

非FIT再エネ証書の需要家との直接取引、条件付きで可能に

さらに、再エネ価値を直接取引するバーチャルPPAなどを望む需要家の声を受け「高度化法における小売電気事業者の目標値から上記取組の取引量分を控除することを前提に、非FIT再エネ電源に係るコーポレートPPAの取り組みに限り、一定の要件を満たす場合には、発電事業者と需要家における非FIT再エネ証書の直接取引を認める」と明記されたことも注目に値します。

対象となるのは、2022年度以降に新設される非FIT再エネ電源および卒FIT電源となる見通しで、FIP電源については、今後検討するとされました。

また、この場合の温対法における取り扱いについて、小売電気事業者のケースと同様に「証書の電力量×全国平均係数で算出したCO2量を、他者から供給された電気に由来するCO2排出量から控除する」とも整理されています。

 

もちろん、これらはまだ中間とりまとめ(案)の段階であり、この先の議論を注視する必要は十分あります。しかし、脱炭素経営を目指す需要家にとって、こうした制度の動向が環境価値の調達戦略に大きな影響を及ぼすことは必至だと言えるでしょう。

 

当社は、再エネ価値取引市場においてFIT非化石証書の取引を仲介する「仲介事業者」として登録されております。(参考『日本卸電力取引所 非化石価値取引会員一覧』)

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