経産省、最終保障料金や燃料調整について中間とりまとめ案を公表
経済産業省は7月20日、昨今の電気料金の高騰などを受け「今後の電力小売政策の在り方について中間とりまとめ(案)」を公表しました。この記事では、中間とりまとめ案の中から、注目を浴びている最終保障料金や燃料調整費に関する内容について、ピックアップしてご説明します。
最終保障料金の見直し動向と最新の契約件数
足元の燃料価格の高騰などの影響から、電気料金が高止まりしたり、契約中の電力会社が供給を停止したりする中、最終保障契約の件数が増加を続けています。経済産業省によると、最終保障契約の件数は2022年7月1日時点で27,255件にまで伸びています。
(出典:経済産業省 第52回電力・ガス基本政策小委員会 資料3『今後の小売政策の在り方について中間とりまとめ(案)』より抜粋)
これは2022年5月時点の件数の2倍を超え、同年6月末で供給停止や事業撤退をした電力会社が多かったことが急増の原因の1つではないかと推察されます。
こうした背景から、最終保障料金に市況価格を反映する見直し案が議論され、今回の中間とりまとめ案にも盛り込まれています。
見直し後の最終保障料金は、エリアプライスの単純平均値と託送料金の従量単価の合計から、現在の最終保障の従量単価を差し引いたものが、補正項として加算されることになっています。
また、新たな最終保障料金の適用スケジュールについては、新規受付が停止されている標準メニューについて、再開の見通しが立った旧一般電気事業者(旧一電)から、値上げに踏み切るという方向性が示されています。
これに関連して、東北電力は翌21日、「自由化部門お客さまの電気料金の取り扱いに関する検討について」というプレスリリースを発表しました。これは、高圧以上と低圧の一部需要家を対象としたものです。このプレスリリースでは、標準メニューの受付再開の見通しについては言及されませんでしたが、今後、旧一電各社の間で同様の動きが広がると予想されます。
燃料調整費、上昇のリスクを需要家へ周知求める
一方で、家庭向け電気料金における燃料調整費については、需要家保護の観点から、高騰のリスクへの対応や考え方を需要家に対してわかりやすく情報提供することが望ましいとされました。
そのため、今後「適正な電力取引の指針」や「電力の小売営業の指針」といったガイドラインを改訂し、料金調整の基本的な考え方や情報提供のあり方について規定するとされています。
なお、今回ご紹介した「今後の電力小売政策の在り方について中間とりまとめ(案)」は、今後の検討動向によっては内容が変更・追加される可能性があります。本ブログでは、こうした動向についても逐次お届けしてまいります。
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