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2022.09.06ニューストータルエネルギーソリューション再エネ調達

【2023年度】改正省エネ法のポイント②/非化石エネルギー転換と電力需要の最適化

2023年4月に施行予定の改正省エネ法。前回は、改正のポイントの中から、エネルギーの定義とエネルギー使用の合理化について解説しました。今回は、非化石エネルギーへの転換と電気需要の最適化に関する措置について、詳しくご説明します。

 

前編はこちら

 

非化石エネ目標や電気需要の最適化について議論

改正省エネ法については、2023年4月1日の施行に向けて、具体論の検討がはじまったところです。経済産業省・工場等判断基準ワーキンググループにおける検討の大きな方向性は、以下の4つ。この記事では「(3)非化石エネルギーへの転換に関する措置、(4)電気需要の最適化に関する措置」について解説します。

 

(1)エネルギー定義の見直し

(2)エネルギー使用合理化に関する措置

(3)非化石エネルギーへの転換に関する措置

(4)電気需要の最適化に関する措置

 

なお「(1)エネルギー定義の見直し、(2)エネルギー使用合理化に関する措置」については前回の記事で詳しくご説明しています。こちらも、ぜひ合わせてご覧ください。(参考『【2023年度】改正省エネ法のポイント①/エネルギーの定義と合理化の措置|REiVALUE Blog』)



(3)非化石エネルギーへの転換に関する措置

経産省では、改正省エネ法における「非化石エネルギーへの転換」を「使用されるエネルギーのうちに占める非化石エネルギーの割合を向上させること」と定義しています。したがって、電気、熱、燃料をすべて一次エネルギー換算(原油換算)し、事業者全体の非化石エネルギー使用割合を算出するとしています。算定・報告にあたっては、現行の中長期計画書・定期報告書の様式を用いる考えが示されました。

 

・【系統電気】非化石電気の算定方法

電気事業者から1000kWhの電気を調達し、その電気事業者の非化石証書使用状況が40%の場合、非化石エネルギーの使用量は次のように算出されます。

(出典:経済産業省 省エネルギー小委員会 2022年度第1回工場等判断基準ワーキンググループ『資料4』より抜粋)

 

FIT再エネ電源の非化石価値は、再エネ賦課金を負担するすべての需要家に広く提供されるものと見なされることから、FIT非化石証書の売れ残り分の余剰非化石電気相当量を非化石比率を算定する際のベースラインとする方向性が明らかになりました。なお、上図では、FIT非化石証書の売れ残り分(余剰非化石電気相当量)を12%と仮定していますが、実際には改正省エネ法施行時の実績値を用いるとされました。

 

・【自家発電気】非化石電気の算定方法

自家消費太陽光をはじめとする自家発電気については、非化石電気の類型に応じて「補正係数α(>1)」を乗じる案が示されました。一例として、自家消費太陽光による電気1000kWhの非化石エネルギー使用量は、次のように算出されます。

(出典:経済産業省 省エネルギー小委員会 2022年度第1回工場等判断基準ワーキンググループ『資料4』より抜粋)

 

非化石電気の類型には、オンサイト・オフサイトPPAや小売電気契約の再エネ100%メニューなどが考えられますが、補正の対象となるのは、下図の(1)〜(3)に限るとされました。なぜなら、省エネ法の原則は、需要家自らの取り組みによって省エネを推進するというもの。そのため、自家発自家消費非化石電気、オンサイト型PPA、FIT・FIP対象外かつ特定の需要家の電気需要のために設置された電源のいずれかである場合にのみ、補正係数を乗じることができるというわけです。補正係数としては、1.2〜1.5倍程度という案が示されましたが、今後の検討によっては変わる可能性もあり、注意を要します。

(出典:経済産業省 省エネルギー小委員会 2022年度第1回工場等判断基準ワーキンググループ『資料4』より抜粋)

 

・非化石クレジット価値の評価方法

省エネ法上では、国が関与している再エネ証書、Jクレジット、グリーン電力・熱証書が認められる方向で、非化石エネルギー使用量として加算することを認める案が提示されています。

 

・非化石エネルギー使用割合の目安

非化石エネルギーの具体的な使用割合の目安は、今後、事業者の実態調査などを踏まえて検討するとされました。しかし、改正省エネ法の初年度である2023年度は、ベンチマーク制度におけるエネルギー多消費産業である鉄鋼業、化学工業、セメント製造業、製紙業、自動車製造業の5業種に対して目安を設定する考えが明らかになりました。

 

(4)電気需要の最適化に関する措置

改正省エネ法の目玉の1つが、これまでの電気需要の“平準化”ではなく、再エネ余剰電気が発生する時間に需要をシフトする“最適化”です。そのため、電気の需給状況に応じて、電気の一次エネルギー換算係数を変動させるとみられています。具体的な係数の案は、以下の通り。

(出典:経済産業省 省エネルギー小委員会 2022年度第1回工場等判断基準ワーキンググループ『資料4』より抜粋)

 

このうち②の「需給状況が厳しい時」とは、広域予備率8%未満かつエリア予備率8%未満のタイミングとされています。火力重み付け係数としては、現行の省エネ法と同じく1.3を乗じる考えが提示されました。最適化原単位の算出方法は、時間帯別と月別の2種類から選択できるようになるとみられます。

 

また、月別最適化係数については、需要最適化のインセンティブとして、需給の厳しい月においては平均値に対して2〜5倍程度の政策的な重み付けを検討する考えも示されています。

 

(出典:経済産業省 省エネルギー小委員会 2022年度第1回工場等判断基準ワーキンググループ『資料4』より抜粋)

 

こうした検討の一方で、委員からは、係数を多用することで、実際のエネルギー使用の実態が見えづらくなるのではないかといった指摘や、火力重み付け係数と月別の重み付け係数とのすみ分けなどについて質問が挙がりました。今後は、事業者へのアンケート調査や意見交換などを経て、9〜10月ごろに業種別の非化石エネルギー使用割合の目安などが議論されるとみられます。本ブログでは、こうした検討の動向を逐次お届けしてまいります。なお、本記事の内容は2022年6月8日の工場等判断基準ワーキンググループの検討結果を参照したものであり、議論の動向によっては変更の可能性があります。

 

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