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環境省、2023年度概算要求のポイント。財政投融資の増額にも注目!

令和5(2023)年度予算の概算要求が各省から出揃いました。今回は、環境省の概算要求について注目すべきポイントを抜粋してお届けします。

 

環境省、2023年度概算要求額の合計は7,414億円

環境省は8月、令和5(2023)年度予算の概算要求を発表しました。同省は、2030年までを脱炭素に向けた「勝負の10年」と位置付け、強い危機感を示しています。今回の概算要求にも、こうした意気込みが色濃く反映されました。

 

まず、歳出予算のうち、一般会計は対前年度比125%の1,861億円、エネルギー対策特別会計(エネ特)は同147%の2,436億円となっています。エネ特の要求額が大きく増額されており、ほぼ1.5倍に膨らんでいることは注目に値するでしょう。これらを合わせると4,297億円。東日本大震災復興特別会計の3,117億円を加えると合計で7,414億円にのぼり、対前年度比では113%になっています。

 

脱炭素先行地域やサプライチェーンの脱炭素化など大幅増に

環境省は、重点施策の1つに「炭素中立型経済社会実現に向けた取組」を掲げています。この重点施策においては「地域・社会インフラ・くらしの脱炭素トランジションの推進」として、次のような施策が掲げられています。続いて、これらの要求額を抜粋してご紹介しましょう。

①脱炭素先行地域づくり、脱炭素の基礎となる重点対策の全国実施の加速化

  • 地域脱炭素移行・再エネ推進交付金【エネ特】(400億円
  • 地域再エネの最大限導入のための地方自治体の計画づくり支援(地域脱炭素実現に向けた再エネの最大限導入のための計画づくり支援事業)【エネ特】(50億円
  • 防災拠点や避難施設となる公共施設への再生可能エネルギー設備等導入支援(地域レジリエンス・脱炭素化を同時実現する公共施設への自立・分散型エネルギー設備等導入推進事業)【エネ特】(70億円
  • 初期費用ゼロ型太陽光発電等の再生可能エネルギー設備全国導入加速化支援(民間企業等による再エネ主力化・レジリエンス強化促進事業)【エネ特】(200億円)

②民間資金を活用した脱炭素型社会インフラの整備、中小企業をはじめとするサプライチェーン全体での脱炭素経営促進

  • 株式会社脱炭素化支援機構と連携した地域脱炭素投融資促進(株式会社脱炭素化支援機構と連携した地域脱炭素投融資促進事業)※新規(2億円)

  • サプライチェーン全体での脱炭素経営の実践普及・高度化(サプライチェーン全体での企業の脱炭経営普及・高度化事業)【エネ特】※新規(15億円)

  • 中小企業をはじめとするサプライチェーン全体の脱炭素移行に向けた工場・事業場における先導的な脱炭素化取組の推進(工場・事業場における先導的な脱炭素化取組推進事業(SHIFT事業) )【エネ特】(100億円

  • コールドチェーンを支える冷凍冷蔵機器の脱フロン・脱炭素化の推進(コールドチェーンを支える冷凍冷蔵機器の脱フロン・脱炭素化推進事業)【エネ特】※新規(73億円)

  • 物流に関わる空港、港湾、海事などの脱炭素化の促進(空港・港湾・海事分野における脱炭素化促進事業)【エネ特】(17.15億円)

  • グリーンファイナンスの裾野拡大・質の担保のための基盤整備(グリーンファイナンス拡大に向けた市場基盤整備支援事業)【エネ特】※新規(4億円)

  • ESG金融の更なる浸透のための市場動向調査・情報発信(ESG金融実践促進事業)【エネ特】(4.5億円)

(出典:環境省

 

これらの施策のほとんどが、令和4(2022)年度当初予算から増額、もしくは新規の要求黄色ハイライト分)です。脱炭素化に対して、今年より多くの資金が注がれることは想像に難くないといえます。

 

財政投融資は対前年度比2倍の400億円

さて、国が政策金融機関や地方公共団体、独立行政法人などの財投機関に資金を投資・融資する財政投融資においても、増額が予定されています。今年度の当初予算額は200億円でしたが、令和5年度予算の概算要求では2倍の400億円が計上されています。

 

この財政投融資は、今秋にも設立される予定の「株式会社脱炭素化支援機構」の資金に充てるとされています。政府による脱炭素ファンドである「株式会社脱炭素化支援機構」は、脱炭素に関する幅広い新規事業を資金面から後押しするもの。8月には全国説明会が開催されるなど、設立に向けた動きが本格化しています。脱炭素化支援機構については、こちらの記事でも詳しくご紹介しています。ぜひ、合わせてご覧ください。(参考『今秋に始動の脱炭素化支援機構。200億円の支援対象の要件とは? | REiVALUE Blog』)



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