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第4回脱炭素先行地域、12件が選定。24年度内に公募終了の可能性も

環境省は2023年11月7日、脱炭素先行地域の第4回公募結果発表しました。54件の計画提案の中から、12件が新たに選定されました。その結果、これまでに脱炭素先行地域に選定されたのは74件となっています。第4回公募ではどのような計画が選定されたのか、紹介します。



選定数は過去最少の12件に

(脱炭素先行地域(第4回)について。出典:環境省)

 

環境省による脱炭素先行地域の第4回公募結果では、共同提案を含む62の地方公共団体から54件の計画提案があり、その中から12件が選定されました。選定件数は、これまでの公募で最少となっています。脱炭素先行地域の公募は、回を追うごとに要件などが少しずつ変更されてきており、地方公共団体からは応募のハードルが上がっているとする声も聞かれます。今回選定された12件の計画提案の概要は、上図の通りです。


(脱炭素先行地域の選定状況(第1〜4回)。出典:環境省)

 

今回、これまで脱炭素先行地域に選定されていなかった都道府県から、茨城県つくば市、富山県富山市、岐阜県高山市、長崎県長崎市の4件が新たに選ばれました。また、主たる提案者が都道府県である計画提案として、第1回選定の秋田県に続いて、熊本県が選定されました。これによって、第1〜4回の公募で脱炭素先行地域に選定されたのは合計74件になりました。

 

複数の「重点選定モデル」に該当する計画が多数

(脱炭素先行地域(第4回)選定 重点モデル一覧。出典:環境省)

 

第3回公募以降に追加された重点選定モデル別では、①施策間連携、②地域間連携、③地域版GX、④生物多様性の保全、資源循環との統合的な取組、⑤民生部門電力以外として、上図のそれぞれが選出されました。重点選定モデルについては、こちらの記事で詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。(参考:第3回脱炭素先行地域に16件。民間企業との共同提案などが要件化 | REiVALUE Blog

 

今回の第4回公募の特色として、複数のモデルにまたがる計画提案が多いということが挙げられます。例えば、北海道苫小牧市の計画「ダブルポートシティ苫小牧の次世代エネルギー供給拠点形成への挑戦」は、①施策間連携と⑤民生部門電力以外の2つのモデルに該当しています。

 

同計画は、クリーンセンターによる廃棄物発電や、太陽光発電のPPAなどに加えて、港湾と空港というダブルポートがある地域特性から、環境にやさしい合成燃料であるSAF(Sustainable Aviation Fuels)などを製造するというビジョンを掲げています。さまざまな施策を組み合わせることで、非常に広範な計画になっています。

 

2024年度内の公募終了も視野に

次回の第5回公募は、2024年度に開催される予定です。2025年度までに少なくとも100ヶ所の脱炭素先行地域を創出することを目指していますが、今年度までに約4分の3にあたる74件が選ばれました。環境省は、2025年度を待たずに募集を終了する可能性があるとしています。そのため、公募への参加を検討している地方公共団体は、2024年度内で脱炭素先行地域の公募が完了することも視野に入れて取り組みを進める必要があるでしょう。

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