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2023年冬季の電力需給は? 需給両サイドの対策のポイントも解説

資源エネルギー庁は2023年10月31日、今冬の電力需給の見通しを更新しました。それによると、10年に一度の寒さを想定した電力需要に対して、すべてのエリアで安定供給に必要な予備率を確保できる見通しだということです。今回は、最新の電力需給の見通しと、今冬に向けた対策をレポートします。



すべてのエリアで必要な予備率を確保できる見通し

(厳気象H1需要に対する予備率(2023年10月26日時点)。出典:資源エネルギー庁

 

資源エネルギー庁が2023年10月31日に開催した第66回 電力・ガス基本政策小委員会では、2023年冬季の電力需給の最新の見通しが明らかになりました。10年に一度の厳しい寒さを想定した電力需要(H1)に対する最小予備率は、上表の通り。すべての電力エリアで、安定供給に最低限必要な予備率3%を確保できると見られています。

 

左表の9月22日時点と比べると、中部、関西、九州エリアなどで予備率の見通しが低下していますが、これは、発電機作業の延長、トラブルによる停止や復旧の目処がたったものを反映したためだということです。

 

なお、気象庁によると、2023年12月〜2024年2月の気象予報は、北日本で平年並みか高く、東・西日本と沖縄・奄美では高い見込みとのこと。全国的に暖冬になると予想されています。

 

2023年冬季の電力需給対策のポイント


(2023年度冬季の電力需給対策(案)。出典::資源エネルギー庁

 

今冬は、安定供給に必要な予備率3%を確保できる見通しですが、その一方で、ライフラインである電力需給には万全を期す必要があります。また、需要側においては、足元のエネルギー価格の高騰を受け、省エネ対策の重要性が特に高まっていますそこで、資源エネルギー庁は、供給サイドと需要サイドの両方における電力需給対策を提案しました。今冬の電力需給対策のポイントは、次の通りです。

 

供給力対策のポイント

2022年夏季・冬季や2023年夏季には、追加供給力を募るkW公募が実施されましたが、今冬においては公募は実施されない見込みです。その代わりに、万が一、需給ひっ迫が懸念される際には随意契約による追加供給力を調達する見通しが示されました。

 

また、電力広域的運営推進機関(OCCTO)が今夏実施したkW・kWhのモニタリングを引き続き実施する考えも示されました。これは、供給力の変化を継続的に確認するためのもので、kW予備率とkWhの余力推移を定期的に実施、公開するとされています。

 

需要対策のポイント

今冬の需要対策としては、引き続き省エネや節電の普及啓発を行うとされました。また、2023年度から施行されている改正省エネ法では、大規模な需要家に対してデマンドレスポンス(DR)の取り組みを定期報告することを義務付けています。改正省エネ法では、DRの実施回数や実績量の報告を求め、優良な事業者については公表や補助金の優遇などのインセンティブが設けられています。こうした促進策によって需要側における省エネや節電を促進する考えが示されました。



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