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発電側課金による電気料金の変動、電力7社で規制料金が値上げに

2024年4月から予定されている発電側課金制度などによって託送料金が変動するため、規制料金などの電気料金が変更される見通しです。電力・ガス取引等監視委員会はこのほど、大手電力会社10社が経済産業相に届け出た電気料金の変更内容について、問題ないとの確認結果を公表しました。

 

発電側課金とは

(発電側課金について。出典:電力・ガス取引監視等委員会

 

発電側課金は、発電事業者が新たに負担することになる送配電網の維持管理コストです。発電側課金制度が導入されることによって、これまで託送料金として小売電気事業者がすべて負担してきた送配電網の維持管理コストを、発電事業者も負担するようになります。それぞれの負担割合は、小売電気事業者が約9割に対して、発電事業者が約1割となっています。

 

発電側課金の対象となるのは、住宅用太陽光発電など電力系統への逆潮が10kW未満の電源、FIT・FIP制度の調達期間内の電源を除くすべての発電所です。発電側課金制度は、2024年度から開始されることが決まっています。



発電側課金の単価や割引額はエリア別に設定

(発電側課金の課金単価等。出典:電力・ガス取引監視等委員会

 

発電側課金は、発電所の規模に応じた「kW課金」と、発電量によって変動する「kWh課金」によって構成されます。課金単価は電力エリアごとに設定され、全国平均の「kW課金」は1kWあたり89.47円、「kWh課金」は1kWhあたり0.28円となっています。

 

また、発電側課金制度には、系統への負担が少ない場所へ電源の立地を誘導する意図もあるため、「kW課金」に対して系統への負担の程度に応じた「割引A」「割引B」という割引が設けられています。「割引A」は基幹系統に与える影響に着目したもので、「割引B」は特別高圧系統への影響に着目したものです。

 

大手7社が規制料金を値上げへ

(1ヶ月当たりの電気料金の変動額の試算(※家庭用モデル料金の場合)。出典:電力・ガス取引監視等委員会

 

発電側課金制度の導入に伴って、2024年4月から託送料金が見直しされます。電力・ガス取引監視等委員会は2024年2月19日、料金制度専門会合で、大手電力会社10社が託送料金の変動を反映した新たな電気料金の内容を確認し、「問題なし」と結論しました。

 

同会合の資料によると、家庭向けの規制料金における電気料金のイメージは上図の通りです。これは、家庭用モデル料金の1ヶ月あたりの変動額を示したものです。発電側課金の導入とレベニューキャップ制度によって、大手電力会社7社で全体として値上げの傾向となっています。

 

レベニューキャップ制度については、こちらの記事で詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。(参考:レベニューキャップ制度とは? 2023年度、 託送料金は全国で値上げか | REiVALUE Blog

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