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東京エリアで電力需給ひっ迫。2024年夏の電力需給対策は?

東京電力エリアで2024年7月8日、気温が上がって電力需要が増加したことなどによって、一時、予備率が3%台に低下しました。中部電力パワーグリッドから電気の融通を受け、予備率は改善しました。今回の需給ひっ迫の状況と、資源エネルギー庁による今夏の電力需給対策についてリポートします。



電力需要の増加や発電所の計画外停止が影響

2024年7月8日は、午前中から気温が高く、冷房の利用などによる電力需要が増加しました。東京電力エリアにおける同日の最大電力需要は、午後2時の5,490万kW。前日7日午後5時の最大電力需要4,340万kWと比べて、1,000万kW以上の増加となりました。

 

その一方で、8日朝には、川崎天然ガス発電所41.3万kW、鹿島共同発電所30万kWが相次いで計画外停止しました。そのため、電力需要に対して供給力の余裕を示す供給予備率が一時3%台にまで低下しました。電力の安定供給に必要な予備率は最低でも3%とされています。

 

こうした状況を受けて、東京電力パワーグリッドは電力広域的運営推進機関(OCCTO)に対して電力融通を依頼しました。その結果、8日9時〜正午に中部電力パワーグリッドから最大20万kWの電力融通を受けたことなどによって、予備率は改善しました。予備率の改善にあたっては、企業や家庭に対して節電や電力使用パターンの変更を求めるデマンドレスポンスなども活用したとされています。

(参考:東京電力パワーグリッドJEPX 発電情報公開システム



事前の節電要請はないものの今後も注意が必要

経済産業省・資源エネルギー庁は、今年6月に公表した今夏の電力需給対策において、「全エリアで安定供給に最低限必要な予備率3%を確保できる見通し」としていました。今年5月29日時点の最小予備率の見通しは、下図の通りです。


(出典:資源エネルギー庁)

 

予備率の算定にあたっては、発電所の計画外停止も考慮していますが、足元の状況を考えると、より丁寧な管理が必要だと思われます。

 

気象庁によると、今夏の気温の見通しは全国的に高いことが予想されています。特に、急激に気温が上がる日や、湿度の高い日には電力需要が増加しやすいことなどから、今後も電力需給のひっ迫を避けるための対策が不可欠だと言えるでしょう。

 

資源エネルギー庁は、今夏は事前の節電要請を実施しないとしていますが、需要サイドでは、適切な省エネ対策やデマンドレスポンスの必要性が高い状況が続きそうです。

(参考:資源エネルギー庁

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