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小売事業者へのkWh確保案、小規模事業者への時限的な配慮策を議論

経済産業省・資源エネルギー庁は2025年8月8日、小売電気事業者に中長期的なkWh確保を義務付ける制度案について議論しました。小規模な事業者に対しては、確保する割合を低減するといった配慮の方策が提案されました。

実需給の3年前・1年前にkWh確保を求める案

資源エネルギー庁が8月8日に開催した第4回電力システム改革の検証を踏まえた制度設計ワーキンググループでは、小売電気事業者にkWhの確保を求める制度案について議論が行われました。前回の会合では、すべての小売電気事業者に対して、実需給の3年前に想定需要の5割、実需給の1年前に同7割に相当する量を求める制度案が示されていました。第2回の同ワーキンググループについては、こちらの記事でリポートしていますので、併せてご覧ください。(参考:kWh確保を小売事業者に義務づけ、未達の場合は登録取り消しも。経産省が提案 | Reivalueメディア

販売電力量が5億kWhを下回る小規模事業者に配慮策

今回の会合では、比較的小規模な小売電気事業者は、大規模な事業者とは財務体質が異なることなどから、kWhの確保義務に一定の配慮を行う事務局案が示されました。具体的には、実需給の3年前に想定需要の2.5割、1年前に5割としてはどうかということです。

(小規模な小売電気事業者等に求める量的な供給力の確保について。出典:資源エネルギー庁

エネルギー供給構造高度化法(高度化法)のベンチマークを参考にして、過去3年間などの販売電力量の平均が5億kWhを下回る事業者を小規模事業者とする考えが示されました。また、こうした措置は、制度開始から5年程度の時限的な措置とするべきとされました。これに対して、参加した委員やオブザーバーは概ね賛成していました。

その一方で、中長期取引を促進する市場に関しては、発電事業者と小売電気事業者が対等な交渉力を持つことが重要としつつ、取り扱う商品や価格の決め方などについて、今後詳細な議論が必要であることが確認されました。

2030年の供給計画からkWh確保を求める見通し

今回の会合では、こうした制度改正のスケジュール案も提示されました。それによると、中長期的なkWh確保の義務に関しては、2030年度の供給計画の策定時からkWh確保の義務について確認を行うとしました。また、中長期取引市場は2028年度にも取引を開始するとされました。今後の議論にも引き続き注目していきます。

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