容量市場の第2回オークション開催、制度見直しの効果やいかに
2021年10月1~14日にかけて、容量市場の第2回メインオークションが開催されています。昨年の第1回では、約定価格がほぼ上限価格となり、調整措置が講じられました。本記事では、第1回メインオークションからの変更点を中心にお届けします。
制度見直しを経て第2回の実施に
そもそも容量市場とは、4年後の供給力(kW価値)を予め確保するための市場です。FIT電源を除くすべての電源種別が参加できるほか、デマンドレスポンスによる参加も可能です。(参考『いよいよ始まる容量市場とは? 基本をわかりやすく解説! | REiVALUE Blog』)
昨年の初回オークションでは、2024年度に取引される供給力の価格が決定され、上限価格から1円安い1kWあたり1万4,137円の高値約定となったことで波紋を呼びました。容量市場で約定された金額は、小売電気事業者が容量拠出金として負担します。そのため、高値で約定すると小売電気事業者の負担が大きくなります。
これに対し、第2回オークションに向け制度の見直しが行われ、容量拠出金の減額措置を2段階にするなどの対策が講じられてきました。この対策がうまく機能すれば、小売電気事業者の負担は約2割ほど軽減されるとみられます。(参考『2021年の容量市場、小売負担22%減へ。デマンドレスポンス枠は拡大 | REiVALUE Blog』)
第2回入札は需要曲線を事前に公表
さて、2021年10月1~14日にかけて開催中の第2回のメインオークションでは、2025年度に取引されるkW価値の価格が決められます。今回は、価格決定の参考となる需要曲線が電力広域的運営推進機関(OCCTO)によって2021年7月1日に公表されました。指標価格(Net CONE)は9,372円/kW、上限価格はその1.5倍の14,058円/kWとなっています。
(出典:電力広域的運営推進機関『容量市場の制度詳細について』)
また、前述の小売電気事業者が支払う金額の2段階の減額のほか、新規の措置として、市場支配的な事業者に対しては、前回のオークションの指標価格を超えて応札する電源について、電力・ガス取引監視等委員会による事前の監視が行われることになりました。
第2回メインオークションの結果は今年12月に公表の予定です。こちらについても本ブログにてお伝えしますので、ぜひ引き続きご注目ください。ご不明な点などありましたら、どうぞお気軽にお問合せください。
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