旧一般電気事業者10社の電気料金見直しの動向が出そろいました。本ブログではこれまで、各社の値上げ状況についてたびたびお伝えしてきましたが、今回、改めて10電力による電気料金値上げの最新の状況をお届けします。
旧一般電気事業者10社の電気料金値上げ状況
各社の発表によると、特別高圧・高圧の標準料金、低圧の規制料金の値上げ状況は下表の通りです。高圧以上では関西電力と九州電力の2社が、低圧では中部電力ミライズ、関西電力、九州電力の3社が値上げを行わないとしています。（2023年2月6日現在）
そのほかの旧一般電気事業者では、電気料金の平均値上げ率がほぼ2桁％のインパクトとなっています。燃料費調整に市場連動制が導入される場合、市場価格の動向によって値上げのインパクトが異なります。そのため、これらの数値はあくまで参考値として考えた方がよいでしょう。
（旧一般電気事業者の電気料金の平均値上げ率。出典：経済産業省、旧一般電気事業者各社WEBサイトより筆者作成、朱記は2023年2月7日訂正箇所）
低圧規制料金の公聴会など、審査はこれから
経済産業省によると、低圧規制料金の値上げについては今後、公聴会が開催されるとのことです。見直し後の単価は、最終的にはこうした認可プロセスを通じて決定されます。そのため、ここで示した電気料金の平均値上げ率が適用されるかどうかは、今後の審査によって決まります。各社の公聴会は、2023年2月中旬にかけて開催の予定です。こうした審査や協議の行方も注目されます。（本ブログの内容は2023年2月6日現在ものであり、その後の審査や協議によって変更される可能性があります）
東北電力が標準メニューの受付再開へ
※2023年2月7日追記
東北電力は2月6日、特別高圧・高圧の標準料金メニューについて2023年4月から見直しを行うと発表しました。具体的には、託送料金と燃料費調整の変更とされています。
託送料金については、2023年度から新しく「レベニューキャップ制度」が導入されます。これに伴って、高圧以上の託送料金が見直しされるため、この価格変動が盛り込まれました。レベニューキャップ制度について詳しく知りたいという人は、こちらの記事も合わせてご覧ください。（参考：レベニューキャップ制度とは？ 2023年度、 託送料金は全国で値上げか | REiVALUE Blog）
燃料費調整の見直しに関しては、最新の電源構成に基づいて基準燃料価格や基準単価などが見直しされます。市場価格の変動を反映する仕組みも新たに導入されます。また、従来、燃料費調整に含まれていた離島供給の燃料価格変動が、離島ユニバーサル調整額として区分して設定されます。
（変更後の電気料金の仕組み。出典：東北電力）
モデルケースの場合、電気料金がどれくらい上がるのかについてもシミュレーションが提示されました。平均市場価格が（1）25.14円／kWh、（2）50.00円／kWh、（3）15.00円／kWhの場合の3パターンが示されています。
（市場価格調整による影響額（モデル料金試算）。出典：東北電力）
実際に電気料金がどれくらい上がるのかについては、東北電力のWEBサイト上でシミュレーションできるようになっています。ただし、こちらのシミュレーションには燃料費調整単価が含まれていないため、実際の電気料金はシミュレーションよりコストアップすると予想されます。（参考：電気料金シミュレーション｜東北電力）
見直し後の標準料金メニューの受付は、2023年2月13日（月）9時より東北電力のWEBサイト上で再開されます。なお、見直し後の標準料金メニューでの供給量にはあらかじめ上限が設定されており、受け入れ可能量に到達した場合は、市場連動メニューでの受付になるとのことです。（参考：東北電力株式会社プレスリリース『高圧および特別高圧の標準メニューの見直しについて』2023年2月6日）
本ブログでは、今後もこうした動向を逐次お伝えしてまいります。当社は関西電力エリアにおいて、高圧の需要家様向けのご提案を再開させていただいております。（参考：【お知らせ】関西電力エリア・高圧のお客様を対象とした電力供給のご提案再開について｜REiVALUE Blog）さらに、東北電力エリア、東京電力エリア、四国電力エリアにおいても高圧の需要家様向けのご提案が可能になりました。ご提案にあたっては、まず、当社スタッフがお客様の電気のご利用状況やご契約条件をお伺いしたうえで検討させていただきます。ぜひお気軽にご相談ください。
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当社は、コスト削減やカーボンニュートラル実現に向けたエネルギーソリューションの提供と、ソリューションを実践し培った知見に基づくエネルギーのアドバイザリーや実務支援を行っております。お客さま毎に異なるニーズに合わせて、環境目標達成に向けたソリューションを”具体的に”ご提案させて頂きます。再エネ電力調達、CO2削減に関するお困りごとがありましたら、お気軽にお問い合わせください。
