電力広域的運営推進機関(OCCTO)は2025年1月29日、対象実需給年度を2028年度とする容量市場のメインオークション結果を公表しました。約定総額は1.8兆円と過去最高額になった一方で、約定総容量は前年度から若干の減少となりました。
約定総額は初回オークション超えの1.8兆円に
(2024年度実施容量市場メインオークション(対象実需給年度:2028年度)の約定結果。出典:電力広域的運営推進機関)
対象実需給年度2028年度の容量市場メインオークションの結果は、約定総容量が約16,621万kW、約定総額(経過措置控除後)は約1兆8506億円でした。前年度と比べると、約定総容量が約120万kW減少した一方で、約定総額は約1.4倍の増加となりました。約定総額は、24年度を対象実需給年度とする初回オークションの約1.6兆円を超え、過去最高額となりました。
また、エリアプライスも北海道・東北・東京で14,812円/kWとなり、初回の全エリア14,137円/kWを初めて超えました。
これまでの容量市場メインオークションの約定結果の推移は下図の通りです。
(容量市場メインオークションの約定結果の推移。電力広域的運営推進機関より筆者作成)
容量市場の約定総額は一般送配電事業者と小売電気事業者が負担し、最終的には、需要家が負担する電気料金に反映される場合もあります。
発動指令電源の応札量が増加の傾向
応札容量は全体で17,205万kWで、全体の落札率は96.6%でした。このうち、再生可能エネルギー発電所などを対象とする変動電源は、1000kW以上の単独枠、1000kW未満のアグリゲート枠ともに、3年連続で落札率100%となりました。
また、自家用発電機やデマンドレスポンスなどを含む発動指令電源では、640万kWの応札があり、落札率は99.99%でした。発動指令電源の応札量は、初回からずっと増加の傾向にあります。
容量市場メインオークションは、今年度が初めての対象実需給年度となりました。これまでに実効性テストや実際の発動などによって実績が徐々に積み上げられてきたことで、自家発やデマンドレスポンスなどの実施体制も充実してきたものと考えられます。ノウハウの蓄積によって、今後も応札量の増加が予想されます。
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