2021年8月25日、経済産業省がカーボンプライシングに関する検討の中間整理を公表しました。同省では、今年2月から7回にわたって「成長に資するカーボンプライシング」を実現するにはどのような制度設計が考えられるかを議論しており、その総括としてまとめられたものです。
具体的な3つの方向性を提示
中間整理では、現状認識や基本的な考え方を踏まえ「具体的な政策対応の方向性」が提示されました。この方向性は次の3つに分類されています。
1.足下の企業ニーズに応じた対応(既存の国内クレジット取引市場の活性化)
2.中長期に亘り行動変容をもたらすための枠組みの検討
3.成長に資するカーボンプライシングが機能するための基盤の整備
このうち「1.足下の企業ニーズに応じた対応(既存の国内クレジット取引市場の活性化)」に関しては、非化石価値取引市場やJ-クレジット制度、JCMといった既存のクレジット・証書制度について、市場の活性化のための見直しや環境整備を速やかに進めるとされました。
さまざまなクレジット制度に統一の動きか
「2.中長期に亘り行動変容をもたらすための枠組みの検討」「3.成長に資するカーボンプライシングが機能するための基盤の整備」に関しては、改めて専門の議論の場で以下を検討するとされています。
①カーボンニュートラル・トップリーグとカーボン・クレジット市場の創設
②重要分野におけるカーボンフットプリントの基盤整備
③カーボンニュートラル社会を目指す上でのクレジットの位置づけの明確化
企業の自主的な排出削減活動を促す「カーボンニュートラルトップリーグ」や国内外のさまざまなクレジット等を取引できる「カーボン・クレジット市場」(いずれも仮称)については、以前、本ブログでもご紹介しました。今後は、企業や金融機関などのメンバーも交えてさらに議論が深められるとのことです。(参考『政府、CO2削減量の国際マーケット創設の動き。資金調達の枠組みも | REiVALUE Blog』)
また、IT技術などを使ってカーボンフットプリントを見える化し、トラッキングできる基盤も整備される方向です。さらに、J-クレジット制度やJCMの取引量を増やすために、取引の透明性の向上や明確化を図ることも示されています。
現在、政府によるJ-クレジットやJCMのほかにも、民間による自主的(ボランタリー)なクレジット制度がさまざまあり、今後はこうした領域にもなんらかの動きが出ると予想されます。
(出典:経済産業省)
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