今秋に始動の脱炭素化支援機構。200億円の支援対象の要件とは?
環境省が2022年秋に設立を予定している「株式会社脱炭素化支援機構」。政府が200億円の投融資を行い、CO2排出量の削減などに役立つ新規事業を後押しするとしています。今回は、脱炭素化支援機構による支援が予定されている分野や、対象となる要件について解説します。
200億円の脱炭素ファンド「脱炭素化支援機構」
環境省は2021年から、脱炭素に役立つ新規事業開発に取り組む事業者を重点的に支援するため、ファンドの新設を検討してきました。これは地球温暖化対策推進法(温対法)の改正案に盛り込まれ、脱炭素分野への投資によって事業者の予見性を高め、イノベーションを推進するとしていたのです。
2022年5月には、改正温対法が成立したことで、新たに「脱炭素化支援機構」を設立する計画が決定しました。脱炭素化支援機構は、株式会社として2022年秋に設立される見通しとなっており、初年度は200億円の財政投融資を活用する予定です。
さらに、環境省は、200億円を呼び水として、1000億円規模の脱炭素事業を育てるビジョンを表明。将来的には、ビジネスモデルの確立を通じ、数兆円規模の脱炭素投資を呼び込みたいとしています。
支援の対象となる事業の要件は?
(株式会社脱炭素化支援機構の概要。出典:環境省 脱炭素ポータル『脱炭素化支援機構の設立準備中です』)
脱炭素化支援機構による投資対象となるのは「エネルギー起源CO2の削減」「エネルギー起源CO2以外の削減」のほか、CO2の吸収量の増加に役立つ分野などになる見通しです。具体的には、住宅やモビリティ、農林水産や食品、サプライチェーンなど幅広く、あらゆる分野が対象になることが予想されます。
支援対象事業の要件には「脱炭素社会の実現に貢献する事業であること」「事業採算性があること」「民間事業主体が主導する事業体」という3点が挙げられました。支援のプロセスとしては、企画やFSなどを終えた開発の後期段階からを想定しているとのこと。支援の方法は、直接・間接の出資のほかに、メザニンファイナンスという出資と融資の中間的な性質をもつミドルリスク・ミドルリターンの手法を用いる考えも示されました。
財務健全化や取引の安全性向上のメリット
脱炭素化支援機構は、2022年秋に設立され、2050年度まで設置される見通しです。同機構による支援を受けることで考えられるメリットとしては、新規事業の財務健全化や取引安全性の向上が考えられます。また、環境省の“お墨付き”によって信用力がアップし、民間における投資資金を集めることも容易になると想像できるのではないでしょうか。
今秋の脱炭素化支援機構の設立に向けては、今後、全国説明会の開催も予定されており、動きが活発化していきそうです。本ブログでは、こうした動向も逐次お届けしてまいります。
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