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東北電力、9月20日から高圧以上の新規受付を市場連動型のみに変更

東北電力は2022年9月20日、高圧・特別高圧で受電する需要家に対して、見直し後の標準メニューの受付停止を発表。新たに同社へ切り替えを申し込む場合は「市場連動型メニュー」のみ受け付ける旨を明らかにしました。7月に見直し後の標準メニューの新規受付を再開していた同社。これまでの経緯を振り返りながら、最新の状況をレポートします。

 

9月20日以降、高圧・特高の新規受付は「市場連動型メニュー」だけに

2022年に入り、世界的な燃料価格の高騰や卸電力市場価格の高止まりなどの影響から、旧一般電気事業者各社は、相次いで新規顧客の受付を停止していました。しかし、2022年9月に最終保障料金が市場連動に見直されたのをきっかけに、各社は、見直し後の標準料金メニューの受付再開スケジュールなどについて徐々に明らかにしてきました

 

東北電力も今年7月29日、高圧・特別高圧の需要家に対し、2022年11月から標準料金メニューによる新規申込の受付を再開すると発表しました。合わせて、見直し後の標準料金メニューは、見直し前と比べて16〜18%の値上げになることも公表しました。

 

ところが、9月20日、一転して標準料金メニューの新規受付を再び停止したのです。同社WEBサイトによると、その理由については次のように説明されています。「燃料市場や卸電力取引市場の価格が更に上昇を続けていることに加え、多くのお客さまからお申し込みをいただいており、現在当社と契約中のお客さまおよび見直し後の標準メニューでご契約が成立しているお客さま以外からのお申し込みについて、見直し後の価格水準で電気をお届けすることが困難な状況となっております

 

このため、9月20日以降に新規申込を行う高圧・特別高圧の需要家に関しては、卸電力市場からの調達を前提とした「市場連動型メニュー」のみでの受付になるとのことです。見直し後の標準メニューについては、来春を目途に供給再開を目指すとされています。

 

(参考:東北電力株式会社『高圧・特別高圧で受電し当社への切り替えまたは新規の契約を予定されるお客さまへのお知らせ』2022年9月20日)



東北エリアの“電力難民”が再び増えると予想

こうした経緯から、東北電力エリアでは、市場連動型メニューを避けたい需要家が、どこの電力会社とも契約できない“電力難民”となってしまうのではないかと懸念されます。足元の卸電力市場価格は、今年3月のようなピークを脱したとはいえ、依然として20〜30円/kWhほどで推移を続けています。

 

(スポット市場システムプライスの1日平均価格。出典:電力・ガス取引監視等委員会 第76回制度設計専門会合 資料4『スポット市場価格の動向等について』より抜粋)

 

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