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2023.01.16ニューストータルエネルギーソリューション再エネ調達

改正省エネ法、非化石エネ転換目標59%が大きな方向性に

資源エネルギー庁は12月23日、2023年4月の省エネ法改正に向けて、主要5業種の非化石エネルギー転換目標の目安、中長期計画書や定期報告書の様式案などを提示しました。改正法の施行まで2ヶ月余りとなった今、具体的な検討が加速しています。

 

エネルギー多消費業、残る業種の目安案を提示

12月23日の資源エネルギー庁・第4回工場等判断基準ワーキンググループでは、エネルギー多消費業のうち、化学工業(石油化学・ソーダ工業)、製紙業(洋紙・板紙)、鉄鋼業(高炉)、鉄鋼業(電炉普通鋼・電炉特殊鋼)の非化石エネルギー転換目標の目安が新しく提示されました。それぞれの業種のエネルギー転換目標の目安は次の通りです。

(主要5業種における非化石転換の定量目標の目安。出典:総合資源エネルギー調査会 省エネルギー・新エネルギー分科会 省エネルギー小委員会 2022年度第4回工場等判断基準ワーキンググループ 資料3『改正省エネ法に基づく措置について』より抜粋)

 

全業種を通して、2030年度の外部調達の非化石比率を59%にする方向性は統一されています。その一方で、業種ごとの特徴に応じた燃料転換を促す内容となっています。特に、石炭を多く使用している事業者に対して具体的な削減目標が提示された形となりました。

 

なお、前回のワーキンググループで示されていたセメント製造業、自動車製造業の目安案には大きな変更はありませんでした。セメント製造業、自動車製造業の目安案については、こちらの記事で詳しく解説しているため、合わせてご覧ください。(参考:改正省エネ法、自動車業の非化石エネ目標「使用電気の6割」へ | REiVALUE Blog

 

また、これらのエネルギー多消費業ではないすべての特定事業者に対して事業者全体の使用電気に占める非化石電気の割合について目標を設定し、それに向けた計画・報告を求めることが改めて確認されました。

 

デマンドレスポンスは「簡便な報告内容」に

これまでのワーキンググループでの検討で、デマンドレスポンス(DR)の実施も評価する方向性が示されていました。しかし、その評価方法は係数に重み付けなどを行う複雑な案が提示されていました。(参考:改正省エネ法、デマンドレスポンスの実施回数も評価に組み込む方向 | REiVALUE Blog

 

今回のワーキンググループでは、評価方法を大きく簡素化し「DRの実施回数等の報告に基づき、優良事業者について、公表もしくは補助金での優遇等のインセンティブを今後検討する」という考え方が示されました。また、電気需要の最適化を促すためにエネルギー使用合理化(MJ換算)のSABC評価では、再エネ出力抑制時の係数を低くし、需給ひっ迫時は逆に高くするというインセンティブを設ける案も示されています。

 

さらに今回、中長期計画書と定期報告書の様式イメージ案も提示されました。特に定期報告書には変更点が多く、企業の実務担当にとっては確認が必要だと思われます。同ワーキンググループの資料としてこれらの様式案が公開されているため、気になる方はチェックしてみてはいかがでしょうか。(参考:総合資源エネルギー調査会 省エネルギー・新エネルギー分科会 省エネルギー小委員会 2022年度第4回工場等判断基準ワーキンググループ

 

改正省エネ法の議論が進展した一方で、ワーキンググループに出席した委員からは、やみくもに太陽光発電の導入を促すのではなく、発電所の建設による森林破壊やパネル製造などによるCO2発生量も予測・明示すべきとする意見もあがりました。

 

2023年4月の法施行までいよいよ3ヶ月を切り、検討も大詰めに差し掛かっています。本ブログでは、改正省エネ法の検討動向を引き続きお届けしていきます。なお、本記事の内容は2022年12月23日の工場等判断基準ワーキンググループの検討結果を参照したものであり、議論の動向によっては変更の可能性があります。

 

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