SBTとは? 取り組むメリットや日本の認定企業を解説
CO2排出削減の取り組みの一環として、SBTを設定する企業が増えています。今回は、SBTとは何か、また、取り組むメリットや日本の認定企業の数についてもわかりやすく解説します。
SBTとは
SBT(Science Based Targets、科学的根拠に基づく目標)とは、科学的根拠に基づいたCO2排出量の削減目標のことです。その背景にあるのは、パリ協定。「産業革命前と比べて世界の平均気温の上昇を2℃より低く、1.5℃に抑える」という目標を達成するには、科学的知見と整合した目標の設定が重要だという考え方から、SBTが近年注目されています。
企業に対して、SBTの設定を推進しているのは、SBTイニシアチブ(SBTi)という国際イニシアチブです。SBTイニシアチブは、再生可能エネルギーによる電力100%での事業運営を目指す国際イニシアチブRE100と同時期に設立されました。SBTイニシアチブは、CDP、WWF(世界自然保護基金)、世界資源研究所、国連グローバル・コンパクトという4団体によって運営されており、目標設定を支援するガイダンスやツールなどの開発も行っています。
SBTに取り組むメリット
(SBTに取り組むメリット。出典:環境省)
企業がSBTに取り組むことで、パリ協定と整合した目標に向けてCO2削減の努力を行っていることを広くアピールすることができます。投資家や顧客に加えて、サプライヤーにとってもCO2削減の取り組みは高く評価されるポイントと言えます。なぜなら、現在、取引先に対してもCO2削減を求める企業が増えてきているからです。こうした流れは今後ますます加速すると考えられています。
また、近年は就職活動において、企業のCO2削減対策に着目する学生も増えているため、雇用の側面からも効果が期待できると考えられます。こうした背景から、SBTに取り組むことは、企業の社会的な価値の向上につながると言えるのです。
SBTの要件
SBTを設定するには、次のような要件を満たす必要があります。企業は、申請時から5〜10年先を目標年として、パリ協定に沿ったCO2削減目標を設定しなければなりません。CO2削減の対象範囲は、原則としてスコープ1、スコープ2、スコープ3を含めたサプライチェーン排出量となります。つまり、自社のCO2排出量だけでなく、事業活動に関するあらゆる排出量の削減が求められるということです。
(SBTが削減対象とする排出量。出典:環境省)
SBTの認定を取得している日本企業
2023年3月1日現在、SBTの認定を取得している日本企業は369社です。さまざまな業種の企業が参加していますが、日本では電気機器メーカーや建設業からの参加企業が多くなっています。2015年にソニーが日本で初めてSBTの認定を取得して以来、参加企業は年々増加しています。世界では、2,310社が参加しています。
(SBTに参加する日本企業の数。出典:環境省)
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