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長期脱炭素電源オークションとは? 2023年度の導入スケジュールも解説

2023年度中に第1回オークションの実施が予定されている「長期脱炭素電源オークション」。電源投資を確保するための仕組みとして注目が高まっています。経済産業省が6月に公表した「第11次中間とりまとめ」から、対象電源や最低入札容量などについてレポートします。

 

長期脱炭素電源オークションとは

長期脱炭素電源オークションとは、カーボンニュートラルの実現に向けて、脱炭素電源への新たな投資を促すための入札制度です。容量市場の中に設けられ、2024年1月に第1回オークションを実施するという予定のもと、急ピッチで詳細の制度検討が進められています。

 

長期脱炭素電源オークションを始める背景には、既存の発電所への新規投資の停滞や発電事業そのものからの撤退などによって、今後、供給力が低下するのではないかという懸念があります。供給力が下がると、電力需給のひっ迫や卸電力市場の価格高騰などによって社会に大きな影響が及ぶことから、長期脱炭素電源オークションを活用して、発電所の新規建設への投資を促そうという考えです。

 

新設発電所の固定費分の収入 原則20年間確保

(長期脱炭素電源オークションの概要。出典:資源エネルギー庁

 

長期脱炭素電源オークションでは、脱炭素電源の発電所の固定費に相当する収入を原則として20年間調達するための入札が実施されます。発電所の新設には巨額の資金が必要なため、固定費に相当する金額を長期にわたって確保することで、売電収入に左右されることなく投資予見性を高められるようになると期待されています。

 

対象は再エネ、蓄電池、水素などの脱炭素電源

供給力を確保する仕組みには、ほかにも容量市場があります。容量市場と長期脱炭素電源オークションとの違いのひとつは、対象となる電源種別。容量市場はFIT電源を除くすべての電源が対象ですが、長期脱炭素電源オークションの対象は、太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーや蓄電池、水素といった脱炭素に寄与する電源です。初回オークションの対象電源は、下記の通りです。

(初回オークションの対象電源。出典:資源エネルギー庁

 

初回の募集容量は400万kW

2024年1月に実施予定の初回オークションの募集容量は、400万kW(応札容量ベース)と発表されています。これは供給力と調整力の両方を含んだもので、今後、調整力を別枠で募集するかどうかは将来の検討事項とされています。最低入札容量は電源種別などによって異なり、上表の新設・リプレースに関しては原則10万kWとされています。

(最低入札容量のまとめ。出典::資源エネルギー庁

 

初回オークションは2023年10月から事前登録の受付を開始し、2024年1月ごろに応札を実施する予定です。制度設計がいよいよ大詰めを迎えた長期脱炭素電源オークション。当ブログでは制度検討の動向について引き続き発信していきます。(なお、本記事の内容は2023年7月8日時点のものであり、制度の動向によっては変更の可能性があります)

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