非化石証書2024年度初回オークション、好調なスタート
日本卸電力取引所(JEPX)は2024年8月28〜30日、2024年度初回の非化石価値取引市場オークション結果を公表しました。昨年度に引き続き、売り入札量が優勢の状況が続いています。昨年度の結果と比較しながら、最新の非化石価値取引市場オークション結果についてリポートします。
FIT証書、約定量が大幅に増加
2024年度第1回オークションにおけるFIT非化石証書の約定量は、約143.7億kWh。前年度の約84億kWhから大きく伸びました。依然として売り入札量が優勢の状況は続いており、売り入札量は、約定量の2倍にあたる300.8億kWh以上です。約定最高価格は前回から約0.4円下がり0.61円/kWh、約定最低価格は変わらず0.4円/kWhでした。
なお、2023年度第4回オークション結果については、こちらの記事で解説しています。ぜひ併せてご覧ください。(参考:非化石証書2023年度第4回オークション、非FIT証書の約定量は続落 | メディア)
(再エネ価値取引市場の推移。筆者作成)
非FIT証書も大幅増進からのスタート
非FIT非化石証書(再エネ指定なし)の約定量は、約2.6億kWh。売り入札量は約165.6億kWhで、大幅な売れ残りが発生している状況です。約定価格は、昨年度に引き続き0.6円/kWhです。
(高度化法達成市場の推移(非FIT再エネ指定なし)。筆者作成)
一方で、非FIT非化石証書(再エネ指定あり)の約定量は、約17.3億kWhとなり、売り入札量約40.0億kWhの約4割にのぼりました。約定価格は、こちらも昨年度に引き続き0.6円/kWhとなりました。
(高度化法達成市場の推移(非FIT再エネ指定あり)。筆者作成)
今後のオークション動向に注目
このように、2024年度初回のオークション結果は、約定量が大きく増加してのスタートとなりました。しかし、昨年度のオークションでも、第1回がもっとも約定量が多く、第2回、第3回では約定量が伸び悩むなど、各回の結果に大きなばらつきが見られました。
小売電気事業者が取引する非FIT非化石証書は、市場ではなく相対取引の活性化が指摘されています。今回の結果を見ると、その一方で、市場における取引にも一定のニーズがあることが読み取れます。今後も、両市場の動向から目が離せません。
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