日本卸電力取引所(JEPX)は2025年8月27日から29日にかけて、2025年度初回の非化石価値取引市場オークション結果を公表しました。FIT証書では、昨年度の第1回オークションと比べて、約定の割合が比較的高くなりました。
FIT証書では約7割が約定 過去最高量に
FIT非化石証書を取引する再エネ価値取引市場では、約定量が買い入札量と同量の209.7億kWhと過去最高になりました。売り入札量は308.8億kWhと引き続き優勢ではあったものの、売り入札量のうち約68%が約定し、昨年度に比べて約定の割合が引き上げられたことが特徴的でした。約定最高価格は上限価格の4.0円/kWh、約定平均価格は下限の0.4円/kWhでした。

再エネ価値取引市場の推移。※累積約定割合(%)は、各回の市場拠出量+約定量の合計のうちの累積需要量の割合(出典:日本卸電力取引所より筆者作成)
なお、2024年度第4回オークションの結果は、こちらの記事をご覧ください。(参考:非化石証書2024年度第4回オークションが終了、FIT証書の需給割合は46%)
非FIT証書は前年度に続き買い入札優勢
高度化法義務達成市場の非FIT非化石証書(再エネ指定なし)では、前年度から買い入札優勢の状況が続いています。買い入札量が178.1億kWhとなった一方で、売り入札量は6.2億kWh、約定量は4.3億kWhとなり、約68%が約定しました。約定価格は前回の半額程度の0.7円/kWhでした。

高度化法達成市場の推移(非FIT再エネ指定なし)。※累積約定割合(%)は、各回の市場拠出量+約定量の合計のうちの累積需要量の割合(出典:日本卸電力取引所より筆者作成)
その一方で、非FIT非化石証書(再エネ指定あり)では、顕著な買い入札量優勢の状況が続いています。買い入札量178.8億kWhに対して、売り入札量は9.5億kWh、約定量は3.5億kWh、約定価格は0.9円/kWhでした。

高度化法達成市場の推移(非FIT再エネ指定あり)。※累積約定割合(%)は、各回の市場拠出量+約定量の合計のうちの累積需要量の割合(出典:日本卸電力取引所より筆者作成)
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