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「GXリーグ」では排出量取引も。脱炭素の情報や資金集まる場となるか

2021年夏に経済産業省が提案した「CNトップリーグ」に新しい動きです。名称を「GXリーグ」に改め、企業と消費者の意識や行動を変容し、循環型の社会を目指すための場とする考えが示されました

 

そもそも「GXリーグ」とは?

「GXリーグ」とは、もともと、カーボンニュートラルの取組みに野心的で先駆的な企業が高く評価され、資金を集めやすくするような枠組みとして提案されたものです。経産省の第9回「世界全体でのカーボンニュートラル実現のための経済的手法等のあり方に関する研究会」において、2021年7月ごろから議題に挙がっていました。

当初は「CN(カーボンニュートラル)トップリーグ」という仮称で、脱炭素に積極的な企業を政府や金融機関、消費者などが支援しやすくする考えが示されていました

2021年12月24日の第9回「世界全体でのカーボンニュートラル実現のための経済的手法等のあり方に関する研究会」では、この「CNトップリーグ」のコンセプトに進展が見られました。

まず、名称を「GX(グリーントランスフォーメーション)リーグ」に改め、より大きな概念である、脱炭素を含む経済社会システムの変革、つまりグリーントランスフォーメーションという目標を掲げたのです

また、企業と消費者の意識や行動の変容を通して、成長・幸福・地球環境に貢献する循環構造を目指すとして、下図のような世界観が示されました。産学官の連携とともに、企業同士も積極的な投資やイノベーションによって、ビジネスを変革しながら成長するイメージが示されています。


(出典:経済産業省 第9回・世界全体でのカーボンニュートラル実現のための経済的手法等のあり方に関する研究会

 

「GXリーグ」に参画するメリットは?

「GXリーグ」は自主的な取り組みですが、参画することのメリットは、脱炭素をはじめとするグリーントランスフォーメーションに積極的であるという姿勢を対外的にPRできることでしょう。ブランディングへの活用もできそうです。

また、リーグ内での情報交換によって、変化の早いグリーントランスフォーメーションの情報にアクセスしやすくなるとも考えられます。投資家や金融機関からの資金を集めやすくなるかもしれません。

さらに重要なことに、「GXリーグ」内で排出量取引が行われると予想されています。ここでの排出量取引は、同じく創設が予定されている「カーボン・クレジット市場」を通した自主的な取引となる見込みです。排出量削減の手段を増やすという観点からも、「GXリーグ」への参画にはメリットがありそうです。(参考『政府、CO2削減量の国際マーケット創設の動き。資金調達の枠組みも | REiVALUE Blog』)



「GXリーグ」の参画要件とスケジュール

こうしたメリットが予想される「GXリーグ」に参画するには、まず、パリ協定の1.5℃目標に向けた目標を定め、挑戦し、その取り組みを公表することが求められます。合わせて、サプライチェーンへの働きかけも必須要件となりそうです

(出典:経済産業省 第9回・世界全体でのカーボンニュートラル実現のための経済的手法等のあり方に関する研究会

上図の通り、「GXリーグ」が本格的に稼働するのは、2023年4月以降になると見られます。その約半年前の今年9月ごろからは、市場取引も含めた実証試験が行われる見通しです。当社ではこうした「GXリーグ」のルールメイキングや実証試験の募集などについても、随時、本ブログでお届けしていきます。

 

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