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非化石証書2024年度第4回オークションが終了、FIT証書の需給割合は46%

日本卸電力取引所(JEPX)は2025年5月21〜23日、2024年度第4回の非化石価値取引市場オークション結果を公表し、2024年度分のオークションはすべて終了しました。FIT非化石証書の需給割合は46%となりました。

FIT証書の需給割合は全4回を通じて4割程度に

再エネ価値取引市場では、FIT非化石証書の売り入札量が891.2億kWh、約定量は、買い入札量と同量の190.6億kWhと、いずれも堅調に増加しました。売り入札が優勢の状況は変わらず、売り入札量は前回を更新して、今年度オークションの最多となりました。約定最高価格が上限価格の4.0円/kWhとなったことで、約定平均価格は0.67円/kWhとなり、約定最低価格は下限の0.4円/kWhでした。

再エネ価値取引市場の推移。※累積約定割合(%)は、各回の市場拠出量+約定量の合計のうちの累積需要量の割合(出典:日本卸電力取引所より筆者作成)

なお、2024年度第3回オークションの結果は、こちらの記事をご覧ください。(参考:非化石証書2024年度第3回オークション、非FIT証書が売り入札量の激減で上限価格に

今回で2024年度全4回のオークションが終了しましたが、FIT非化石証書の需給割合は46%でした。上図の通り、第1回から第4回を通じて、4割程度でした。

非FIT証書は売り切れ続出が続く

高度化法義務達成市場の非FIT非化石証書(再エネ指定なし)では、買い入札優勢の状況が続きました。買い入札量が62.1億kWhとなった一方で、売り入札量は2.5億kWh、約定量も同量となりました。売り入札量が少なかったため、約定価格は上限価格の1.3円/kWhに張り付きました。

高度化法達成市場の推移(非FIT再エネ指定なし)。※累積約定割合(%)は、各回の市場拠出量+約定量の合計のうちの累積需要量の割合(出典:日本卸電力取引所より筆者作成)

同じく、非FIT非化石証書(再エネ指定あり)でも、買い入札量優勢の状況が続きました。買い入札量は58.1億kWhに対して、売り入札量は3.9億kWhで、全量が約定しました。約定価格はこちらも上限価格の1.3円/kWhでした。

高度化法達成市場の推移(非FIT再エネ指定あり)。※累積約定割合(%)は、各回の市場拠出量+約定量の合計のうちの累積需要量の割合(出典:日本卸電力取引所より筆者作成)

高度化法のFIT証書の代替調達の影響で価格が上昇か

経済産業省・資源エネルギー庁は2025年4月、小売電気事業者が、エネルギー供給構造高度化法(高度化法)への対策として、FIT非化石証書を代替調達できるようにする制度変更を行いました。ただし、調達価格は1.3円/kWh以上とされました。代替調達が認められて初めての開催となった2025年度第4回オークションでは、こうした影響から、取引価格が全体として引き上げられたと考えられます。

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