今冬の電力需給対策、節電プログラムや「ものづくり補助金」充実も
資源エネルギー庁は2022年11月8日、今冬の電力需給対策をとりまとめました。供給予備率はマイナスの予想からは脱したものの依然として厳しい見通しです。今回は資源エネルギー庁が発表した最新の電力需給対策についてご紹介します。
最新の供給予備率、全エリアでプラスに
(厳寒期の需要に対する予備率。出典:資源エネルギー庁 第55回 総合資源エネルギー調査会 電力・ガス事業分科会 電力・ガス基本政策小委員会 資料4-1『2022年度冬季の電力需給対策』より抜粋)
11月8日の電力・ガス基本政策小委員会では、今冬の供給予備率が更新されました。それによると、追加的な供給力対策や火力発電所の復旧見通しがついたことなどから、全エリアの供給予備率がプラスに転じました。東北・東京エリアに送電する新地火力発電所100万kW(相馬火力発電)は、11月11日から発電を再開しています。
とはいえ、2023年1〜2月は東北・東京エリアで4%台など依然として厳しい見通しであることには変わりありません。特に、近年は新型コロナなどの影響から経済や社会の構造が変化しており、電力需要が増加するリスクが高まっていることも指摘されています。そのため、電力需給対策のひとつとして省エネや節電の取り組みを広く求めるとされました。
節電プログラムのほか、事業者向け「ものづくり補助金」も拡充へ
省エネや節電の取り組みとして、同会合で議論されたのは「対価支払型デマンドレスポンス(DR)の普及拡大」「省エネ対策の強化」の2つです。
「対価支払型デマンドレスポンス(DR)の普及拡大」とは、需給ひっ迫時に電気の効率的な利用を促し、需要を抑制しようとする取り組み、いわゆる節電プログラムです。まず、電力会社が国の節電プログラム促進事業に登録し、次に、その電力会社と契約している需要家がプログラムへ登録、節電を行うことで、ポイントなどのインセンティブを獲得できるという仕組みになっています。
経済産業省は、節電プログラムに関するWEBサイトを立ち上げており、どの電力会社が節電プログラムに参加しているのかなどを確認できるようになっています。ご自身の契約する電力会社が参加しているかどうか気になるという方は、こちらのサイトで確認してみてはいかがでしょうか。(リンク:節電プログラム参加中の電力会社一覧|経済産業省 資源エネルギー庁)
続いて「省エネ対策の強化」では、事業者向けの対策として、今後3年間において省エネ補助金を抜本的に強化すること、専門人材を倍増し、省エネ診断を拡充することが挙げられました。具体的には、中小企業の設備投資を支援する「ものづくり補助金」において、通常よりも補助上限額と補助率の高い「グリーン枠」を拡充する案が示されています。
(ものづくり補助金『グリーン枠』の概要案。出典:資源エネルギー庁 第55回 総合資源エネルギー調査会 電力・ガス事業分科会 電力・ガス基本政策小委員会 資料4-1『2022年度冬季の電力需給対策』より抜粋)
こうした「グリーン枠」の案は今後、詳細の議論が進められ補助率や要件などが詰められていくとみられます。当社では、こうした補助制度の動向についても逐次お届けしてまいります。
当社は関西電力エリアにおいて、高圧の需要家様向けのご提案を再開させていただいております。(参考:【お知らせ】関西電力エリア・高圧のお客様を対象とした電力供給のご提案再開について|REiVALUE Blog)さらに、東北電力エリアにおいても高圧の需要家様向けのご提案が可能になりました。ご提案にあたっては、まず、当社スタッフがお客様の電気のご利用状況やご契約条件をお伺いしたうえで検討させていただきます。ぜひお気軽にご相談ください。
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